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平成19年度春季解答
問題41
ソフトウェア開発のプロセスモデルのうち,開発サイクルごとにリスクを最小にしながら,開発サイクルを繰り返すことによって,システムの完成度を高めていくプロセスモデルはどれか。
ア | ウォータフォールモデル |
イ | スパイラルモデル |
ウ | 成長モデル |
エ | プロトタイピングモデル |
解答:イ
<解説>
ア | × | ウォータフォールモデルは、ソフトウェアのシステム開発工程を川の流れに例え、要求分析、設計、実装(プログラミング)、テスト、運用の流れ作業に分け、 各工程を確実に行い、作業を戻さないシステム開発手法 |
イ | ○ | スパイラルモデルは,独立性の高い部分ごとに,設計,プログラミング,テストの開発工程を反復しながら完成度を高めていく開発手法 |
ウ | × | 成長モデルは、仕様変更に応じて、次第に成長させていく開発手法 |
エ | × | プロトタイピングは,開発の初期段階で入出力画面などの具体的に動作する試作品(プロトタイプ)を作成し,これをたたき台として検討と修正を繰り返しながら,仕様を確定していく開発手法 |
問題42
オブジェクト指向におけるカプセル化を説明したものはどれか。
ア | 同じ性質をもつ複数のオブジェクトを抽象化して,整理すること |
イ | 基底クラスの性質を派生クラスに受け継がせること |
ウ | クラス間に共通する性質を抽出し,基底クラスを作ること |
エ | データとそれを操作する手続を一つにして,オブジェクトの内部に隠ぺいすること |
解答:エ
<解説>
ア | × | クラスに関する説明である。 |
イ | × | 継承に関する説明である。 |
ウ | × | 汎化に関する説明である。 |
エ | ○ | カプセル化に関する説明である。 |
問題43
モジュール強度が最も高いものはどれか。
ア | あるデータを対象として逐次的に複数の機能を実行するモジュール |
イ | 異なる入力媒体からのデータを処理するモジュール |
ウ | 単一の機能を実行するモジュール |
エ | 特定の時点で必要とされる作業のすべてを含んでいるモジュール |
解答:ウ
<解説>
モジュールの強度とは、モジュール内部の関連性の強さを表すものである。モジュール強度が強いほうがモジュールの独立性が高くなる。
機能的強度が最も強度が強く,順に弱くなっていきます。
モジュール強度 | 名称 | 内容 |
---|---|---|
強い ↑ ↓ 弱い |
機能的強度 | 1つの機能だけを実行するモジュール |
情報的強度 | 特定のデータに関するモジュール | |
連絡的強度 | モジュー内でデータのやりとりをおこない、逐次的な複数の機能をまとめたモジュール | |
手順的強度 | モジュール内ではデータの受け渡しがなく、逐次的な複数の機能をまとめたモジュール | |
時間的強度 | あるタイミングで実行される機能を集めたモジュール | |
論理的強度 | 論理的な関連がある機能を1つのモジュールとしてまとめたもの | |
暗号的強度 | モジュールを単純に分割したもの |
ア | × | 手順的強度に関する説明である。 |
イ | × | 情報的強度に関する説明である。 |
ウ | ○ | 機能的強度に関する説明である。 |
エ | × | 時間的強度ルに関する説明である。 |
問題44
階層構造のモジュール群からなるソフトウェアの結合テストを,上位のモジュールから行う。この場合に使用する,下位モジュールの代替となるテスト用のモジュールはどれか。
ア | エミュレータ |
イ | シミュレータ |
ウ | スタブ |
エ | ドライバ |
解答:ウ
<解説>
ア | × | エミュレータとは、あるシステム上で他のOSやCPUの機能を再現し、そのOS(CPU)向けのアプリケーションソフトを動作させるソフトウェア |
イ | × | シミュレーターとは、現実的に実験することが困難な場合に、その仮想的なモデルを作成して模擬的に実験するハードウェアやソフトウェア |
ウ | ○ | スタブとは、複数のモジュールからなるプログラムのテストのとき、下位層のモジュールが完成する前に上位層のモジュールをテストするときに、下位層のモジュールを擬似的に代用するモジュール |
エ | × | ドライバとは、複数のモジュールからなるプログラムのテストのとき、上位層のモジュールが完成する前に下位層のモジュールをテストするときに、上位層のモジュールを擬似的に代用するモジュール |
問題45
ソフトウェアの再利用に関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
ア | 大きい部品を再利用するよりも,小さい部品を再利用する方が,単位規模当たりの開発工数の削減効果は大きい。 |
イ | 再利用可能な部品の開発は,同一規模の通常のソフトウェアを開発する場合よりも工数がかかる。 |
ウ | 部品の再利用を促進するための表彰制度などのインセンティブの効果は,初期においては低いが,時間の経過とともに高くなる。 |
エ | 部品を再利用したときに削減できる工数の比率は,部品の大きさに反比例する。 |
解答:イ
<解説>
ア | × | 大きい部品を再利用する方が,単位規模当たりの開発工数の削減効果は大きい。 |
イ | ○ | 再利用可能な部品の開発は,同一規模の通常のソフトウェアを開発する場合よりも工数がかかる。 |
ウ | × | 部品の再利用を促進するための表彰制度などのインセンティブの効果は,初期においては高いが、時間の経過とともに低くなる。 |
エ | × | 部品を再利用したときに削減できる工数の比率は,部品の大きさに比例する。 |
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