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平成22年度春季解答
問題6
ハッシュ表探索において,同一のハッシュ値となる確率が最も低くなるのは,ハッシュ値がどの分布で近似されるときか。
ア | 2項分布 |
イ | 一様分布 |
ウ | 正規分布 |
エ | ポアソン分布 |
解答:イ
<解説>
ハッシュ表探索では、データのキー部の値からハッシュ関数によってハッシュ値を求める。
データの格納位置をハッシュ関数によって計算するので、なるべくハッシュ値の重複が起こらないように設計する必要がある。
ア | × | 2項分布では、特定のハッシュ値に対する分布が大きくなってしまう。 |
イ | ○ | 一様分布では、ハッシュ値のすべての値が同じ確率で発生する。 |
ウ | × | 正規分布では、特定のハッシュ値に対する分布が大きくなってしまう。 |
エ | × | ポアソン分布では、特定のハッシュ値に対する分布が大きくなってしまう。 |
問題7
Java VM が稼働している環境だけがあれば,Web ブラウザや Web サーバがなくても動作するプログラムはどれか。
ア | JavaScript |
イ | Java アプリケーション |
ウ | Java アプレット |
エ | Java サーブレット |
解答:イ
<解説>
Java仮想マシン (Java VM) は、Javaバイトコードとして定義された命令セットを実行するスタック型の仮想マシン。APIやいくつかのツールとセットでJava実行環境 (JRE) としてリリースされている。この環境を移植することで、さまざまな環境でJavaのプログラムを実行することができる。
ア | × | JavaScriptは、Java と名前、記述方法は似ているが別のものである。Java VMは不要である。 |
イ | ○ | Java アプリケーションは、主にローカルなコンピュータのJava Runtime Environment (JRE) で実行される。 |
ウ | × | Java アプレットは、Webからダウンロードされて、Webブラウザ上で実行される事が多い。 |
エ | × | Java サーブレットは、Webサーバ上で実行されるモジュール(部品)化されたJavaプログラム。 |
問題8
あるプログラム A の処理が終了していないときに,別のプログラムから再度呼び出されても正しく動作するとき,このプログラム A の性質を何と呼ぶか。
ア | 再帰的 |
イ | 再使用可能 |
ウ | 再入可能 |
エ | 再配置可能 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | 一つのプロセスの中で何度も自己を呼び出す仕組み |
イ | × | 一度実行した後に,再使用可能にするためにデータを初期化するプログラム |
ウ | ○ | 複数のプロセスで並行して同じプログラムを実行できるようにしたもの |
エ | × | 主記憶のどの部分に読み込まれても実行可能なプログラムのこと |
問題9
表の CPI と構成比率で,3種類の演算命令が合計 1,000,000 命令実行されるプログラムを,クロック周波数が1GHz のプロセッサで実行するのに必要な時間は何ミリ秒か。
ア | 0.4 |
イ | 2.8 |
ウ | 4.0 |
エ | 28.0 |
解答:イ
<解説>
- 1命令の実行に必要なクロック数を計算する。
1命令の実行に必要なクロック数 = (3 × 0.2) + (5 × 0.2) + (2 × 0.6) = 0.6 + 1.0 + 1.2 = 2.8サイクル - 1,000,000(=106)命令実行されるプログラムのクロック数を計算する。
1,000,000(=106)命令のクロック数 = 2.8 × 106サイクル - クロック周波数1GHz(= 109Hz)のプロセッサで実行するのに必要な時間を計算する
。
1,000,000(=106)命令のクロック数 = 2.8×106 ÷ 109 = 0.0028 (秒) = 2.8ミリ秒
問題10
図に示す構成で,表に示すようにキャッシュメモリと主記憶のアクセス時間だけが異なり,ほかの条件は同じ2種類の CPU X と Y がある。あるプログラムを CPU X と Y でそれぞれ実行したところ,両者の処理時間が等しかった。このとき,キャッシュメモリのヒット率は幾らか。ここで, CPU 処理以外の影響はないものとする。
ア | 0.75 |
イ | 0.90 |
ウ | 0.95 |
エ | 0.96 |
解答:イ
<解説>
次の手順でキャッシュメモリのヒット率を計算することができる。なお、ヒット率はhとする。
- CPU Xの実行アクセス時間を計算する。
CPU Xの実行アクセス時間 = 40×h +400×(1-h ) - CPU Yの実行アクセス時間を計算する。
CPU Xの実行アクセス時間 = 20×h +580×(1-h ) - 問題分の「CPU X と Y でそれぞれ実行したところ,両者の処理時間が等しかった」との記述よりhを計算する。
40×h +400×(1-h ) = 20×h +580×(1-h ) 200h = 180 h = 0.90
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