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- 平成26年度春季問題
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平成26年度春季解答
問題6
OSのプロセス制御におけるプリエンプティブ方式に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | 各プロセスがシステム資源を自主管理できるので、マルチプログラミングに向いている。 |
イ | ノンプリエンプティブ方式に比べて、コンテキスト切替えのためのオーバヘッドが小さい。 |
ウ | ノンプリエンプティブ方式に比べて、特定のプロセスがプロセッサを独占することが多い。 |
エ | プリエンプティブ方式を実現するには、OSがプロセスを強制的に切り替えて実行する機構が必要になる。 |
解答:エ
<解説>
プロセッサは常に1つのプログラムしか実行できないため,マルチタスクでは,複数のプログラムを切り替えて実行しなければならない。このプログラムの切り替え方式には,「プリエンプティブ方式」と「ノンプリエンプティブ方式」がある。
- プリエンプティブ方式
- OSがプロセッサの実行権限を管理し,プロセスの実行を切り替える方式である。現在のOSは,プリエンプティブ方式が主流だ。
- ノンプリエンプティブ方式
- プロセスの切り替えをプログラム自身に任せる方式である。ただし,ノンプリエンプティブ方式では,あるプログラムがプロセッサを長時間占有することも可能で,この場合はシングルタスクと同じになってしまう。昔のMac OSやWindows 3.1は,ノンプリエンプティブ方式である。
ア | × | システム資源はプロセスではなく、OSによって管理される。 |
イ | × | プロセスの実行中に割り込みが多発するのでコンテキスト切り替えの回数が多くなりオーバヘッドも大きくなる。 |
ウ | × | ノンプリエンプティブ方式に比べて、特定のプロセスがプロセッサを独占することが少ない。 |
エ | ○ | 「プリエンプティブ方式」の説明である。 |
問題7
NAND素子を用いた次の組合せ回路の出力Z を表す式はどれか。 ここで、論理式中の“・”は論理積、“+”は論理和、“X ”はX の否定を表す。
ア | X ・Y |
イ | X + Y |
ウ | X ・Y |
エ | X + Y |
解答:イ
<解説>
- NANDの真理値表を作成する。
- 問題の図の内容より真理値表を作成する。
- 2の出力Zと等しいのは(イ)X・Yである。
問題8
UMLを用いて表した部門と社員の関係を表すデータモデルの説明のうち、適切なものはどれか。
ア | 社員が1人も所属していない部門は登録できない。 |
イ | 社員は複数の部門に所属することができる。 |
ウ | どの部門にも所属しない社員は登録できない。 |
エ | 一つの部門に複数の社員は所属できない。 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | 社員は0以上なので、1人も所属していない部門も存在する |
イ | × | 社員は必ず1つの部門に所属する。 |
ウ | ○ | 社員は必ず部門に所属しなければならない。 |
エ | × | 部門が1に対して社員が0以上の1対多の関係なので複数の社員が所属できる。 |
問題9
分散データベースにおいて図のようなコマンドシーケンスがあった。 調停者がシーケンスaで発行したコマンドはどれか。 ここで、コマンドシーケンスの記述にUMLのシーケンス図の記法を用いる。
ア | COMMITの実行要求 |
イ | ROLLBACKの実行要求 |
ウ | 判定コードの書出し要求 |
エ | ログ書出しの実行要求 |
解答:イ
<解説>
問題の分散データベースでは、2相コミットメント制御を行なっている。
2相コミットメント制御とは、複数のデータベースの内容を更新するトランザクション処理において、処理が矛盾しないよう整合性を保つための手法である。2相コミットメント制御では、結果としてトランザクションはコミットされるか失敗する(ロールバックする)かのいずれかの状態となる。
問題では、COMMIT可否問合せにて「COMMIT不可」がレスポンスが返されている。したがって、(イ)ROLLBACKの実行要求を行い、UPDATE前の状態に復元する。
問題10
トランザクションの原子性(atomicity)の説明として、適切なものはどれか。
ア | データの物理的格納場所やアプリケーションプログラムの実行場所を意識することなくトランザクション処理が行える。 |
イ | トランザクションが完了したときの状態は、処理済みか未処理のどちらかしかない。 |
ウ | トランザクション処理においてデータベースの一貫性が保てる。 |
エ | 複数のトランザクションを同時に処理した場合でも、個々の処理結果は等しい。 |
解答:イ
<解説>
ACIDは、トランザクション処理の信頼性を保証するために求められる性質である。
原子性(Atomicity:不可分性)、一貫性(Consistency)、独立性(Isolation)、および永続性(Durability)から合成された頭字語である。
- 原子性(Atomicity)
- トランザクションの処理が完全に実行されるか、全く処理をしないかのどちらかである。
- 一貫性(Consistency)
- トランザクションの実行によってデータベースの内容に矛盾が生じない。
- 独立性(Isolation)
- 複数のトランザクションを同時に実行しても処理過程は他者から隠蔽され、影響されない。
- 永続性(Durability)
- トランザクションが完了した操作は、失われない。
ア | × | データベースの透過性の説明であり、ACID特性とは関係ない。 |
イ | ○ | 原子性(atomicity)の説明である。 |
ウ | × | 一貫性(Consistency)の説明である。 |
エ | × | 独立性(Isolation)の説明である。 |
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