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平成23年度特別解答
問題6
スコープを縮小せずプロジェクト全体のスケジュールを短縮する技法の一つである“クラッシング”では、メンバの時間外勤務を増やしたり、業務内容に精通したメンバを新たに増員したりする。 “クラッシング”を行う際に、優先的に資源を投入すべきスケジュールアクティビティはどれか。
ア | 業務の難易度が最も高いスケジュールアクティビティ |
イ | クリティカルパス上のスケジュールアクティビティ |
ウ | 資源が確保できる時期に開始するスケジュールアクティビティ |
エ | 所要時間を最も長く必要とするスケジュールアクティビティ |
解答:イ
<解説>
クラッシングに関する問題である。
クラッシングとは、コストとスケジュールのトレードオフを分析し、最小の追加コストで最大の期間短縮を得る方法を決定するスケジュール短縮技法である。十分な検討の上での対応が必要となる。
クリティカルパス以外のタスクの所要時間を短縮しても、プロジェクト期間や業務の期間短縮にはあまり貢献しない。
したがって、優先的に資源を投入すべきスケジュールアクティビティはクリティカルパス上のスケジュールアクティビティである。
よって、イが正解である。
問題7
ファンクションポイント法の一つであるIFPUG法では、機能をデータファンクションとトランザクションファンクションとに分類する。機能を適切に分類したものはどれか。
解答:ウ
<解説>
ファンクションポイント法は、ソフトウエアの規模や開発工数を見積もるための手法の1つである。ファンクションポイント法には、数十種類の計測方法があるが、現在では IFPUG法(International Function Point Users Group)が主流となっている。
IFPUG法では機能をデータファンクション(計測対象となるソフトウェアから参照または更新を行う論理的なデータのまとまり)とトランザクションファンクション(ソフトウェアに対するデータの入出力を伴う処理)に分類される。
データファンクション
- 内部論理ファイル(ILF)
- アプリケーション境界内にあるデータのまとまり。
- 外部インタフェースファイル(EIF)
- アプリケーション境界外にあるデータのまとまり。
トランザクションファンクション
- 外部入力(EI)
- アプリケーション境界外からデータを受け取り、内部論理ファイルを変更したり、システムの動作を変える処理を行う。
- 外部出力(EO)
- アプリケーション境界外にデータを計算等によって加工して提供する処理。システムの動作を変える処理を含む場合もある。
- 外部照会(EQ)
- アプリケーション境界外にデータを提供する処理。データの加工やシステムの動作を変える処理は行わない。
したがって、ウが正解である。
問題8
JIS X 0129-1で規定されるソフトウェアの品質特性のうち、“効率性”の定義はどれか。
ア | 指定された条件の下で利用されるときに、明示的及び暗示的必要性に合致する機能を提供するソフトウェア製品の能力 |
イ | 指定された条件下で利用するとき、指定された達成水準を維持するソフトウェア製品の能力 |
ウ | 修正のしやすさに関するソフトウェア製品の能力 |
エ | 明示的な条件の下で、使用する資源の量に対比して適切な性能を提供するソフトウェア製品の能力 |
解答:エ
<解説>
JIS X 0129-1(ソフトウェア製品の品質)では、ソフトウェア品質特性を次の6つの特性に分類し、それらを更に副特性に細分化している。
特性 | 副特性 | 説明 |
---|---|---|
機能性 |
|
ソフトウェアが、指定された条件の下で利用されるときに、明示的及び暗示的必要性に合致する機能を提供するソフトウェア製品の能力 |
信頼性 |
|
指定された条件下で利用するとき、指定された達成水準を維持するソフトウェア製品の能力 |
使用性 |
|
指定された条件の下で利用するとき、理解、習得、利用でき、利用者にとって魅力的であるソフトウェア製品の能力 |
効率性 |
|
明示的な条件の下で、使用する資源の量に対比して適切な性能を提供するソフトウェア製品の能力 |
保守性 |
|
修正のしやすさに関するソフトウェア製品の能力。修正は、是正若しくは向上、又は環境の変化、要求仕様の変更及び機能仕様の変更にソフトウェアを適応させることを含めてもよい。 |
移植性 |
|
ある環境から他の環境に移すためのソフトウェア製品の能力 |
ア | × | 機能性の説明である。 |
イ | × | 信頼性の説明である。 |
ウ | × | 保守性の説明である。 |
エ | ○ | 効率性の説明である。 |
問題9
A社では、昨年まではX、Y、Zの3種類の商品を販売していたが、今年は商品体系を変更してP、Q、R、Sの4種類の商品を販売している。P、Q、R、Sそれぞれの購入客数と、その顧客数の内訳として昨年までX、Y、Zのそれぞれを購入していた購入客数を表示するために作成するグラフとして、最も適切なものはどれか。
ア | 層グラフ |
イ | 積上げ棒グラフ |
ウ | 二重円グラフ |
エ | レーダチャート |
解答:イ
<解説>
次の図のように(イ)積上げ棒グラフで作成するのが適切である。
問題10
あるプレゼンテーションにおいて、次の順序で話を展開した。 このような話の展開順序の方法を何というか。
A社では、2年前からIT化を全社的に推進しており、その結果、250名の要因を間接部門から直接部門に配置転換した。
B社では、ホワイトカラーの生産性向上のために、事務部門のIT化を全社的に推進しており、これまでに生産性を25%向上させている。
C社では、..........。
D社では、事務効率の向上を図るために、グループウェアを導入し、年間15%の経費削減を達成している。
したがって、間接部門の生産性と経費の節減が重要となっている当社においても、間接部門のIT化に早急に着手することが必要である。
ア | 因果的順序法 |
イ | 演繹(えき)的順序法 |
ウ | 起承転結型順序法 |
エ | 帰納的順序法 |
解答:エ
<解説>
文章には、様々な構成法がある。
- 帰納的順序法
- まず個別事例を提示し、次にそこから一般的な原理や法則,結論を導き出す構成方法
- 演繹的順序法
- 「大前提」「小前提」「結論」による三段論法で論を展開してゆく構成方法
- 軽重順序法
- 重要なものからそうでないもの、簡単なものから複雑なもの、あるいはその逆の流れで文章を展開する構成方法
- 問題解決順序法
- 問題を解決するために、問題提起,原因分析,解決策の検討・評価の順で文章を展開する構成方法
- 時間的順序法
- 物事の時間の推移を追って、話を展開する構成方法
- 因果的順序法
- 物事の因果関係(原因と結果)に基づき原因から結果、あるいはその逆の流れで文章を展開する構成方法
- 起承転結型順序法
- 起(話の導入),承(導入を受けた展開),転(話を大きく展開する),結(結論,結末)の流れで文章を展開する構成方法
問題では、他社の様々な業務改善の個別事例を提示し、間接部門のIT化に早急に着手することが必要という結論を導きだしているので、(エ)帰納的順序法が正解である。
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