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平成23年度特別解答
問題11
育技法の説明として、適切なものはどれか。
ア | インバスケットは、一定時間内に数多くの問題を処理させることによって、問題の関連性、緊急性、重要性などに対する総合的判断力を高める技法である。 |
イ | ケーススタディは、日常の開発業務の中で、先輩や上司が個別に指導し、実体験から知識を習得させる技法である。 |
ウ | ブレーンストーミングは、参加者に特定の役割を演技させることによって、各立場の理解や問題解決力を高める技法である。 |
エ | ロールプレイングは、参加者のアイディアを批判することなく、またそのアイディアから新たなアイディアを導き出そうとする創造的問題解決に適した技法である。 |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | イン・バスケットとは、役職者の机上に置かれる決裁書類を入れる既決/未決箱のことである。能力開発技法としてのイン・バスケットのやり方では、決断や判断を必要とするような数多くの書類を受講者に与えて、制限時間内で、次々と決断をさせていくことによって、受講者の思考や判断の能力を養成しようとするものである。 |
イ | × | OJT(On-the-Job Training)は、日常の開発業務の中で、先輩や上司が個別に指導し、実体験から知識を取得させる技法である。 |
ウ | × | ロールプレイング(役割演技)は、参加者に特定の役割を演技させることによって、各立場の理解や問題解決力を高める技法である。 |
エ | × | ブレーンストーミングは、参加者のアイディアを批判することなく、またそのアイディアから新たなアイディアを導き出そうとする創造的問題解決に適した技法である。 |
問題12
リスクマネジメントにおけるEMV(期待金額評価)の算出方法はどれか。
ア | リスク発生時の影響金額×リスク事象の発生確率 |
イ | リスク発生時の影響金額÷リスク事象の発生確率 |
ウ | リスク発生時の影響金額×リスク対応にかかるコスト |
エ | リスク発生時の影響金額÷リスク対応にかかるコスト |
解答:ア
<解説>
EMV(Expected Monetary Values:期待金額価値分析)は、将来の不確実なシナリオに対して、得られる価値と確率の想定値から現在選択すべき方針を統計的に判断する手法である。
EMV(Expected Monetary Values:期待金額価値分析)では、
期待金額(期待値)=影響金額×発生確率
で計算される。
したがって、アが正解である。
問題13
デルファイ法を利用して、プロジェクトのリスクを抽出しているものはどれか。
ア | ステークホルダや専門家にインタビューし、回答を収集してリスクとしてまとめる。 |
イ | 複数の専門家にアンケートを行い、その結果を要約する。さらに要約結果でアンケートを行い、結果を要約することを繰り返すことでリスクをまとめる。 |
ウ | プロジェクトチームのメンバに複数の専門家を加えて会議をし、リスクに対する意見を出し合い、進行役がリスクとしてまとめる。 |
エ | プロジェクトを強み、弱み、好機、脅威の各観点及びその組合せで分析し、リスクをまとめる。 |
解答:イ
<解説>
デルファイ法は、複数の専門家にアンケート調査を行い、最も多かった意見に対し再度アンケートを行う。このフローを繰り返し、意見を集約させ情報の精度を高めていく手法である。
ア | × | インタビュー法に関する説明である。 |
イ | ○ | デルファイ法に関する説明である。 |
ウ | × | インスペクション法に関する説明である。 |
エ | × | SWOT(Strength,Weakness,Opportunity,Threat)分析に関する説明である。 |
問題14
PMBOKのリスクマネジメントにおけるリスク対応戦略の適用に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | 強化は、マイナスのリスクに対して使用される戦略である。 |
イ | 共有は、プラスのリスクとマイナスのリスクのどちらにも使用される戦略である。 |
ウ | 受容は、プラスのリスクとマイナスのリスクのどちらにも使用される戦略である。 |
エ | 転嫁は、プラスのリスクに対して使用される戦略である。 |
解答:ウ
<解説>
リスクマネジメントとは、プロジェクトのリスクを識別し、分析し、リスクに対応するための系統的なプロセスで、プロジェクトの目標に対してプラスに働く事象(プラスのリスク)には、それが起こる確率とその発生結果が最大となるように、マイナスに働く事象(マイナスのリスク)については、逆に最小となるようにすることである。
マイナスのリスク及びプラスのリスクに対する戦略にはそれぞれ4種類ある。
■マイナスのリスク
- 回避
- リスクを避けるためプロジェクトマネジメント計画を変更する。
- 転嫁
- 脅威への対応を取る責任と共に脅威によるマイナスの影響の一部または全部を第三者に移転する。
- 軽減
- 発生確率と発生結果のいずれかあるいは両方を受容可能な限界値まで減らす。
- 受容
- 回避,転嫁,軽減などの対応策を実勢せず、リスクの存在をそのまま受け入れる。
■プラスのリスク
- 活用
- 好機が確実に到来するため、何らかの策を講じる。
- 共有
- 好機をとらえる能力の最も高い第三者に好機を実行する権限を移転する。
- 強化
- 好機の発生確率やプラスの影響を増加させるための策を講じる。
- 受容
- 積極的に利益は追求しないが、好機の実現時に利益を享受する。
ア | × | 強化は、プラスのリスクに対して使用される戦略である。 |
イ | × | 共有は、プラスのリスクに対して使用される戦略である。 |
ウ | ○ | 受容は、プラスのリスクとマイナスのリスクのどちらにも使用される戦略である。 |
エ | × | 転嫁は、マイナスのリスクに対して使用される戦略である。 |
問題15
システム構築の提案依頼書(RFP)を作成する際の留意点のうち、適切なものはどれか。
ア | システムの機能要件は、広義にとらえることができる表現にする。 |
イ | システムを構築する費用は、供給者選定後に話合いで決める。 |
ウ | 提案の評価項目を明示する。 |
エ | プロジェクトのマイルストーンは、供給者に提案してもらう。 |
解答:ウ
<解説>
RFP(Request For Proposal:提案依頼書)とは、企業や情報システム部門がITサービスなどを調達する際に、発注先となるITベンダに具体的なシステム提案を行うよう依頼する文章である。
ア | × | システムの機能要件は、広義にとられるようなあいまいな表現は避け、できるだけ明確にしておくべきである。 |
イ | × | RFPには予算が明示される。ITベンダはその予算内の費用で提案を行う。したがって、費用は供給者選定後に決めるものではない。 |
ウ | ○ | ユーザ起用は複数のITベンダが作成した提案書を比較選定してITベンダーを選定する。適切な提案をITベンダから貰えるように提案の評価項目を明示的に列挙するべきである。 |
エ | × | マイルストーンとは、プロジェクトの中で工程遅延の許されないような大きな節目のことである。マイルストーンは、発注者が提案する。 |
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