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平成26年度春季解答
問題6
PMBOKのプロジェクトスコープマネジメントにおいて、WBSの作成に用いるローリングウェーブ計画法の説明はどれか。
ア | WBSを補完するため、WBS要素ごとに詳細な作業の内容などを記述する。 |
イ | 過去に実施したプロジェクトのWBSをテンプレートとして、新たなWBSを作成する。 |
ウ | 将来実施されるサブプロジェクトについては、上位レベルのWBSにとどめておき、詳細が明確になってから、要素分解して詳細なWBSを作成する。 |
エ | プロジェクトの作業をより詳細化するために、WBSの最下位レベルの作業内容や要素成果物を定義する。 |
解答:ウ
<解説>
ローリング・ウェーブ計画法とは、段階的詳細化による計画策定の一形態である。
プロジェクト・ライフサイクルにおいて、プロジェクト開始時点では、情報が限られていたり細部まで要件が明確になっていなかったりすることが多く、ワーク・パッケージ・レベルまで要素成果物や作業を分解することが難しいとされている。したがって、実際には開始当初はワーク・パッケージよりも上位の妥当なWBS要素レベルまでの分解に留め、機能仕様や基本設計が漸次明確になるのを待って下位レベルまで分解することになる。この方法に基づいて計画を詳細化することを、「ローリング・ウェーブ計画法」と呼ぶ。
ア | × | WBS辞書の説明である。 |
イ | × | WBSのテンプレートの説明である。 |
ウ | ○ | ローリング・ウェーブ計画法の説明である。 |
エ | × | ワークパッケージの説明である。 |
問題7
プロジェクトマネジメントで使用する責任分担表(RAM)の一つである、RACIチャートで示す4種類の役割及び責任の組合せのうち、適切なものはどれか。
ア | 実効責任、情報提供、説明責任、相談対応 |
イ | 実効責任、情報提供、説明責任、リスク管理 |
ウ | 実効責任、情報提供、相談対応、リスク管理 |
エ | 実効責任、説明責任、相談対応、リスク管理 |
解答:ア
<解説>
RACIチャート/RACI図とは、PMBOKの用語であり、下記の頭文字であり、チーム・メンバーの役割と責任を表す図のことである。
- Responsible:実行責任
- タスクを実行することに責任を持つ
- Accountable:説明責任
- 顧客や社内のトップマネジメント(経営陣)など、誰かから聞かれたら、タスクの進捗や状況(結果)がどのようになっているかを説明することに責任を持つ
- Consult:相談対応
- タスク実行を支援するアドバイスなどを行う
- Inform:情報提供
- タスクの進捗や状況(結果)についての連絡や報告を受ける
上記の4つが記述されているのは、アである。
問題8
表は、あるプロジェクトの作業リストであり、図は、各作業の関係を表したアローダイアグラムである。 このプロジェクトの所要期間を3日短縮するためには、追加費用は最低何万円必要か。
ア | 9 |
イ | 11 |
ウ | 12 |
エ | 14 |
解答:イ
<解説>
- 当初のプロジェクトの所要日数及びクリティカルパスは次の図のようになる。
- 修正後の所要日数及びクリティカルパスは次のようになる。
- Aを1日、Bを3日間短縮するので3×3+2×1=(イ)11万円となる。
問題9
プロジェクトのスケジュールを管理するときに使用する“クリティカルチェーン法”の特徴はどれか。
ア | クリティカルパス上の作業に生産性を向上させるための開発ツールを導入する。 |
イ | クリティカルパス上の作業に要員を追加投入する。 |
ウ | クリティカルパス上の選考作業が終了する前に後続作業に着手し、並行して実施する。 |
エ | クリティカルパスを守るために、フィーディングバッファと所要時間バッファを設ける。 |
解答:エ
<解説>
クリティカルチェーン法は、プロジェクトなどにおいて、それを構成する各作業の実行順序を考えたとき、「作業工程上の従属関係」と「リソースが限られているために発生する従属関係」の双方を考慮した上で、最も時間的に長く掛かる作業の連鎖のこと。作業完了に要する所用期間を決定する。
ア | × | クラッシングの特徴である。クリティカルチェーン法は作業期間をどうやって短縮するのかを考えるものではない。 |
イ | × | クラッシングの特徴である。クリティカルチェーン法は作業期間をどうやって短縮するのかを考えるものではない。 |
ウ | × | ファスト・トラッキングの特徴である。クリティカルチェーン法は作業期間をどうやって短縮するのかを考えるものではない。 |
エ | ○ | クリティカルチェーン法の特徴である。合流バッファ(クリティカルチェーン上のタスクと、他のタスクが合流する場所に配置されるバッファで、クリティカルチェーン上のタスクが、合流側のタスクの遅れにより遅れることがないように配置される時間的余裕)とプロジェクトバッファ(プロジェクトの最後に配置されるバッファで、プロジェクトの納期を不確実性などの影響から守るために配置される時間的余裕)を設ける。 |
問題10
プロジェクトマネジメントの実績報告のプロセスにおいて、スコープ、コスト、スケジュールに関して、ベースラインと実績のかい離を明確にするために使用される技法はどれか。
ア | what-ifシナリオ分析 |
イ | 傾向分析 |
ウ | 差異分析 |
エ | モンテカルロ分析 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | what-ifシナリオ分析とは、「シナリオXで表す条件が発生したらどうなるか」を予測する分析技法である。 |
イ | × | 傾向分析とは、数学的モデルを用い、過去の結果に基づいて将来の成果を予測する分析技法である。 |
ウ | ○ | 差異分析とは、実績をベースラインや計画と比較して、差異の大きさと原因を確認し、差異によって生じる影響を確認する技法である。 |
エ | × | モンテカルロ分析とは、定量的リスク分析におけるシミュレーションの一つ。入力値をランダムに選び、シミュレーション結果を得る」ということを繰り返し、スケジュールのどこにリスクが存在するかを指摘することに活用できる。 |
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