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平成26年度春季解答
問題11
あるソフトウェア会社の社員は週40時間働く。 この会社が、開発工数440人時のプログラム開発を引き受けた。 開発コストを次の条件で見積もるとき、10人のチームで開発する場合のコストは、1人で開発する場合のコストの約何倍になるか。 [条件] (1) 10人のチームでは、コミュニケーションをとるための工数が余分に発生する。 (2) コミュニケーションはチームのメンバが総当たりでとり、その工数は2人1組の組合せごとに週当たりの4人時(1人当たり2時間)である。 (3) 社員の週当たりコストは社員間で差がない。 (4) (1)~(3)以外の条件は無視できる。
ア | 1.2 |
イ | 1.5 |
ウ | 1.8 |
エ | 2.1 |
解答:ウ
<解説>
1人で開発する場合と10人で開発する場合のコストを計算する。
- 1人で開発する場合
- 開発工数 440 人時を週 40 時間働くより440÷40=11週間
- 1 人で開発する場合のコストは、1人分×11週分=11
- 10人で開発する場合
- 条件(2)より2人1組の組み合わせは10C2 = 45通り
- 工数は2人1組の組合せごとに週当たり4時間なので、45×4=180時間必要である。
- 条件(1)よりコミュニケーションをとるための工数が余分に発生するは週 40 時間働く社員が10人で400時間になり、400時間に中に余分の工数が含まれると考え、400-180=220時間。開発工数 440 人時を10人で開発する場合は、440÷220=2週間になります。
- 10 人のチームで開発する場合のコストは10人分×2週間分=20
10人のチームで開発する場合のコストは、1人で開発する場合のコストの約何倍になる計算する。
20÷11=1.818…
問題12
リスクマネジメントにおけるEMV(期待金額評価)の算出方法はどれか。
ア | リスク発生時の影響金額×リスク事象の発生確率 |
イ | リスク発生時の影響金額÷リスク事象の発生確率 |
ウ | リスク発生時の影響金額×リスク対応にかかるコスト |
エ | リスク発生時の影響金額÷リスク対応にかかるコスト |
解答:ア
<解説>
EMV(Expected Monetary Values:期待金額価値分析)は、将来の不確実なシナリオに対して、得られる価値と確率の想定値から現在選択すべき方針を統計的に判断する手法である。
EMV(Expected Monetary Values:期待金額価値分析)では、
期待金額(期待値)=影響金額×発生確率
で計算される。
したがって、アが正解である。
問題13
PMBOKのリスクマネジメントにおけるリスク対応戦略の適用に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | 強化は、マイナスのリスクに対して使用される戦略である。 |
イ | 共有は、プラスのリスクとマイナスのリスクのどちらにも使用される戦略である。 |
ウ | 受容は、プラスのリスクとマイナスのリスクのどちらにも使用される戦略である。 |
エ | 転嫁は、プラスのリスクに対して使用される戦略である。 |
解答:ウ
<解説>
リスクマネジメントとは、プロジェクトのリスクを識別し、分析し、リスクに対応するための系統的なプロセスで、プロジェクトの目標に対してプラスに働く事象(プラスのリスク)には、それが起こる確率とその発生結果が最大となるように、マイナスに働く事象(マイナスのリスク)については、逆に最小となるようにすることである。
マイナスのリスク及びプラスのリスクに対する戦略にはそれぞれ4種類ある。
■マイナスのリスク
- 回避
- リスクを避けるためプロジェクトマネジメント計画を変更する。
- 転嫁
- 脅威への対応を取る責任と共に脅威によるマイナスの影響の一部または全部を第三者に移転する。
- 軽減
- 発生確率と発生結果のいずれかあるいは両方を受容可能な限界値まで減らす。
- 受容
- 回避,転嫁,軽減などの対応策を実勢せず、リスクの存在をそのまま受け入れる。
■プラスのリスク
- 活用
- 好機が確実に到来するため、何らかの策を講じる。
- 共有
- 好機をとらえる能力の最も高い第三者に好機を実行する権限を移転する。
- 強化
- 好機の発生確率やプラスの影響を増加させるための策を講じる。
- 受容
- 積極的に利益は追求しないが、好機の実現時に利益を享受する。
ア | × | 強化は、プラスのリスクに対して使用される戦略である。 |
イ | × | 共有は、プラスのリスクに対して使用される戦略である。 |
ウ | ○ | 受容は、プラスのリスクとマイナスのリスクのどちらにも使用される戦略である。 |
エ | × | 転嫁は、マイナスのリスクに対して使用される戦略である。 |
問題14
COCOMOにはシステム開発の工数を見積もる式の一つに
MM = 3.0×(KDSI)1.12
がある。
開発規模(KDSI)と開発生産性(KDSI/MM)の関係を表したグラフはどれか。
ここで、MMは開発工数(人月)、KDSIは開発規模(注釈を除いたソースコードの行数、単位はk行)である。
解答:エ
<解説>
ア | × | 開発規模が大きくなるほど、上位工程に誤りがあった場合などの手戻りが大きくなる。よって開発生産性は低くなる。 |
イ | × | 開発規模が大きくなるほど、上位工程に誤りがあった場合などの手戻りが大きくなる。よって開発生産性は低くなる。 |
ウ | × | 開発規模(X軸)が0やマイナスになることはありえない。 |
エ | ○ | 開発規模が大きくなるほど、開発生産性は低くなる。 |
問題15
プロジェクトの状況を把握するために使用するパレート図の用途として、適切なものはどれか。
ア | 工程の状態や品質の状況を時系列に表した図であり、工程が安定した状態にかるかどうかを判断するために用いる。 |
イ | 項目別に層別して出現度数の大きさの順に並べるとともに累積和を示した図であり、主要な原因を識別するために用いる。 |
ウ | 二つの特性を横軸と縦軸にとって測定値を打点した図であり、それらの相関を判断するために用いる。 |
エ | 矢印付き大枝の先端に特性を、中枝、小枝に要因を表した図であり、どれがどれに影響しているかを分析するために用いる。 |
解答:イ
<解説>
パレート図は、データを幾つかの項目に分類し、出現頻度の大きさの順に棒グラフとして並べ、累積和を折れ線グラフで描き問題点を絞り込むものである。問題(結果)に大きく影響している要因を浮き彫りにすることができる。
ア | × | 管理図の用途である。 |
イ | ○ | パレート図の用途である。 |
ウ | × | 散布図の用途である。 |
エ | × | 特性要因図(フィッシュボーンチャート)の用途である。 |
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