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平成21年度秋季解答
問題16
ファイブフォース分析において、企業の競争力に影響を与える五つの要因として、新規参入者の脅威、バイヤの交渉力、競争業者間の敵対関係、代替製品の脅威と、もう一つはどれか。
ア | サプライヤの交渉力 |
イ | 自社製品の品質 |
ウ | 消費者の購買力 |
エ | 政府の規制 |
解答:ア
<解説>
マイケル・ E ・ポーターは,自著『競争の戦略』の中で業界内の競争に影響 を与える 5 つの要因を指摘し,“競争のルール”の 5 つの力として,以下のよう に分類した。
- (1)新規参入者の脅威
- 新規参入の脅威は,参入障壁の高さによって決まる。障壁が高い場合,業界内の競争は生じにくいが,障壁が低い場合は競争が激化する。
- (2)競争業者間の敵対関係
- 同業者が多いか同規模の会社が多く存在している業界は,競争が激化する。
- (3)代替製品の脅威
- 代替製品またはサービスがあれば競争は激化する。
- (4)バイヤの交渉力
- 独占的な製品であればバイヤ(直接顧客もしくは最終顧客)の交渉力は弱 まるが,どこでも販売されているありふれた製品であれば強まる。
- (5)サプライヤの交渉力
- サプライヤ(供給業者)が少数の企業からなり,市場が独占に近い状態で あればサプライヤの交渉力は強くなる。 ファイブフォース分析は,5 つの力の個々または総合的な強さを分析して, 業界における競争関係の特性を決める決定的な構造特徴を明らかにする。
したがって、アが正解である。
問題17
部品や資材の調達から製品の生産、流通、販売までの、企業間を含めたモノの流れを適切に計画・管理して、リードタイムの短縮、在庫コストや流通コストの削減などを実現しようとする考え方はどれか。
ア | CRM |
イ | ERP |
ウ | MRP |
エ | SCM |
解答:エ
<解説>
ア | × | CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)とは、顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法である。 |
イ | × | ERP(Enterprise Resources Planning)とは、企業の持つ様々な資源(人材、資金、設備、資材、情報など)を統合的に管理・配分し、業務の効率化や経営の全体最適を目指す手法。また、そのために導入・利用される統合型(業務横断型)業務ソフトウェアパッケージ(ERPパッケージ)のことである。 |
ウ | × | MRP(Materials Requirements Planning:資材所要量計画)とは、企業の生産計画達成を前提に、部品表と在庫情報から発注すべき資源の量と発注時期を割り出すものである。 |
エ | ○ | SCM(Supply Chain Management:供給連鎖管理)とは、供給業者から最終消費者までの業界の流れを統合的に見直し、プロセス全体の効率化と最適化を実現するための経営管理手法である。 |
問題18
ナレッジマネジメントのプロセスモデルであるSECIモデルにおいて、Ⅰに入るものはどれか。
ア | 国際化(Internationalization) |
イ | 情報化(Informatization) |
ウ | 初期化(Initialization) |
エ | 内面化(Internalization) |
解答:エ
<解説>
知識の共有・活用によって優れた業績を挙げている“知識創造企業”がどのようにして組織的知識を生み出しているかを説明するため、一橋大学大学院の野中郁次郎教授らが示したプロセスモデル。ナレッジマネジメントの基礎理論として知られる。
- 共同化(Socialization)
- 共体験などによって、暗黙知を獲得・伝達するプロセス
- 表出化(Externalization)
- 得られた暗黙知を共有できるよう形式知に変換するプロセス
- 連結化(Combination)
- 形式知同士を組み合わせて新たな形式知を創造するプロセス
- 内面化(Internalization)
- 利用可能となった形式知を基に、個人が実践を行い、その知識を体得するプロセス
したがって、エが正解である。
問題19
日本の技術経営における課題のうち、“死の谷”を説明したものはどれか。
ア | 基礎研究と製品開発との間をつなぐ研究開発に資金投入が行われなかった結果、基礎研究が製品化に結びつかず、価値利益化ができなくなる問題 |
イ | 基礎研究の成果を製品化に結びつけることができた製品が、市場の過当競争に巻き込まれ、価値利益化ができなくなる問題 |
ウ | 基礎研究の成果を製品化に結びつけることができた製品が、市場の過当競争に巻き込まれ、価値利益化ができなくなる問題 |
エ | 製品のコモディティ化が進んだ結果、製品の差別化ができなくなり、価値利益化ができなくなる問題 |
解答:ア
<解説>
死の谷とは、研究戦略、技術経営、プロジェクトマネジメント等において、研究開発が、次の段階に発展しない状況やその難関・障壁となっている事柄のことである。
ア | ○ | 死の谷の説明である。 |
イ | × | ダーウィンの海の説明である。 |
ウ | × | 価値利益化を阻む要因としては正しいが、死の谷の説明ではない。 |
エ | × | 価値利益化を阻む要因としては正しいが、死の谷の説明ではない。 |
問題20
ある会社の生産計画部では、毎月25日に次の手続きで翌月の計画生産量を決定している。8月分の計画生産量を求める式はどれか。
[手続き] | ||
(1) | 当月末の予想在庫量を、前月末の実在庫量と当月の計画生産量と予想販売量から求める。 | |
(2) | 当月末の予想在庫と、翌月文の予想販売量から、翌月末の予想在庫量が翌々月から3か月間の予想販売量と等しくなるように翌月の計画生産量を決定する。 |
ア | I6 + P7 - S7 + S8 |
イ | S8 + S9 + S10 + S11 - I7 |
ウ | S8 + S9 + S10 + S11 - I8 |
エ | S9 + S10 + S11 - I7 |
解答:イ
<解説>
- (1)より、次の式が成り立つ。
7月末予測在庫量 =6月末実在庫量+7月分計画生産量-7月分予測販売量 I7=I6+P7-S7 - (2)より、次の式が成り立つ。
8月末予測在庫量 =7月末実在庫量+8月分計画生産量-8月分予測販売量 =9月末実在庫量+10月分計画生産量+11月分予測販売量 であるから、 I8=I7+P8-S8 =S9+S10+S11 が成り立つ。すなわち I7+P8-S8=S9+S10+S11となりP8について解くと P8=(イ)S8+S9+S10+S11-I7となる。
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