- トップページ
- ITストラテジスト
- 平成23年度秋季問題
- 平成23年度秋季解答・解説
平成23年度秋季解答
問題1
経済産業省が策定した“IT経営力指標”の説明はどれか。
ア | IT化を推進するための原理原則を、システム開発の発注者の行動規範として17か条にまとめたもの |
イ | ITの活用度合いを測る上で、IT活用による新ビジネスモデル創出力やIT基盤の構築度合いなどの七つの機能を評価軸として四つのステージで評価するもの |
ウ | ソフトウェア開発を実践する組織に対して、開発プロセスの改善における進化を5段階の例熟度レベルで評価するもの |
エ | ソフトウェア業界における開発業務、取引、組織のプロセスなどを、システムのライフサイクル全般にわたり標準的ガイドラインとしてまとめたもの |
解答:イ
<解説>
ア | × | 『実務に活かす IT 化の原理原則 17 ヶ条』に関する説明である。 |
イ | ○ | 「IT経営力指標」は「ITの戦略的導入のための行動指針」における7つの機能を
中心に、IT経営力の高さをステージ1~4に分けて判定する仕組みとなっている。 7つの機能及び4つのステージは、IT経営力指標の詳細版を参照 |
ウ | × | CMMI(Capability Maturity Model Integration)の説明である。 |
エ | × | 共通フレームの説明である。 |
問題2
エンタープライズアーキテクチャを説明したものはどれか。
ア | 今まで開発してきた業務システムをビジネス価値とソリューション品質の2軸で分析し、業務システムごとの改善の方向を決定する。 |
イ | 既存の業務と情報システムの全体像及び将来の目標を明示することによって、ITガバナンスを強化し、経営の視点からIT投資効果を高める。 |
ウ | 財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長の四つの視点から評価指標を設定し、IT投資による組織全体への効果を的確に管理する。 |
エ | 情報システムの開発・保守とその組織運営の現状を調査し、ソフトウェアプロセスの成熟度を評価して、プロセス改善の方向を決定する。 |
解答:イ
<解説>
エンタープライズアーキテクチャは、大企業や政府機関などといった巨大な組織の業務手順や情報システムの標準化、組織の最適化を進め、効率よい組織の運営を図るための方法論である。各業務と情報システムを,ビジネスアーキテクチャ,データアーキテクチャ,アプリケーションアーキテクチャ,テクノロジアーキテクチャの四つの体系で分析する。
各モデルは、上位から下位の順で次のようになる。
- ビジネス・アーキテクチャ
- 政策・業務の内容、実施主体、業務フロー等について、 共通化・合理化など実現すべき姿を体系的に示したもの。
-
- 業務説明書
- 機能構成図
- 機能情報関連図
- 業務流れ図
- データアーキテクチャ
- 各業務・システムにおいて利用される情報すなわちシステム上のデータの内容、 各情報(データ)間の関連性を体系的に示したもの。
-
- 情報体系整理図
- 情報分析図
- 実態関連ダイアグラム
- データ定義表
- アプリケーション・アーキテクチャ
- 業務処理に最適な情報システムの形態(集中型か分散型か、 汎用パッケージソフトを活用するか個別に開発するか等)を体系的に示したもの。
-
- 情報システム関連図
- 情報システム機能関連図
- 技術(テクノロジー)アーキテクチャ
- 実際にシステムを構築する際に利用する諸々の技術的構成要素 (ハード・ソフト・ ネットワーク等)を体系的に示したもの。
-
- ネットワーク構成図
- ソフトウェア構成図
- ハードウェア構成図
ア | × | ポートフォリオ分析の説明である。 |
イ | ○ | エンタープライズアーキテクチャの説明である。 |
ウ | × | バランススコアカードの説明である。 |
エ | × | CMMI(Capability Maturity Model Integration)の説明である。 |
問題3
BI(Business Intelligence)を説明したものはどれか。
ア | 企業内の業務の流れを可視化し、業務改善サイクルを適用することで、継続的な業務改善に活用しようとする手法 |
イ | 企業内の異なるシステムを互いに連結し、データやプロセスの効率的な統合を図ることで、企業経営に活用しようとする手法 |
ウ | 企業内の重要な戦略目標の達成度を測定するための指標の値を把握し、分析することで、業務の進捗管理に活用しようとする手法 |
エ | 企業内の膨大なデータを蓄積し、分類・分析・加工することで、企業の迅速な意思決定に活用しようとする手法 |
解答:エ
<解説>
業務システムなどから蓄積される企業内の膨大なデータを、蓄積・分析・加工して、企業の意思決定に活用しようとする手法。その背景にはデータウェアハウスやデータマイニングの技術の進展がある。
ア | × | BPM(Business Process Management)の説明である。 |
イ | × | ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージの説明である。 |
ウ | × | SLA(Service Level Agreement)の説明である。 |
エ | ○ | BI(Business Intelligence)の説明である。 |
問題4
投資効果を現在価値法で評価するとき、最も投資効果の大きい(又は損失の小さい)シナリオはどれか。 ここで、期間は3年間、割引率は5%とし、各シナリオのキャッシュフローは表のとおりとする。
ア | A |
イ | B |
ウ | C |
エ | 投資をしない |
解答:イ
<解説>
次のようになり、イが最も投資効果の大きい(又は損失の小さい)シナリオとなる。
問題5
BABOKの説明はどれか。
ア | ソフトウェア品質の基本概念、ソフトウェア品質マネジメント、ソフトウェア品質技術の三つのカテゴリからなる知識体系 |
イ | ソフトウェア要求、ソフトウェア設計、ソフトウェア構築、ソフトウェアテスティング、ソフトウェア保守など10の知識エリアからなる知識体系 |
ウ | ビジネスアナリシスの計画とモニタリング、引き出し、要求アナリシス、基礎コンピテンシなど七つの知識エリアからなる知識体系 |
エ | プロジェクトマネジメントに関して、スコープ、時間、コスト、品質、人的資源、コミュニケーション、リスク管理など九つの知識エリアからなる知識体系 |
解答:ウ
<解説>
BABOK(Business Analysis Body Of Knowledge:ビジネスアナリシス知識体系)とは、IIBA(International Institute of Business Analysis)が策定したビジネス分析の知識体系である。ビジネスアナリシス(BA)を行うために必要な活動(Task)や技術(Technique)などが体系立ててまとめられたものである。
ビジネスアナリシスの計画とモニタリング,引き出し,要求のマネジメントとコミュニケーション,エンタープライズアナリシス,要求アナリシス,ソリューションのアセスメントと妥当性確認,基礎コンピテンシの7つの知識エリアを説明している。
したがって、ウが正解である。
お問い合わせ