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平成24年度春季解答
問題11
スーパスカラの説明として、適切なものはどれか。
ア | 処理すべきベクトルの長さがベクトルレジスタより長い場合、ベクトルレジスタの組に分割して処理を繰り返す方式である。 |
イ | パイプラインを更に細分化することによって、高速化を図る方式である。 |
ウ | 複数のパイプラインを用い、同時に複数の命令を実行可能にすることによって、高速化を図る方式である。 |
エ | 命令語を長く取り、一つの命令で複数の機能ユニットを同時に制御することによって、高速化を図る方式である。 |
解答:ウ
<解説>
スーパスカラとは、プロセッサの中に複数の処理系統(パイプライン)を用意し、複数の命令を並列に処理することである。
ア | × | ベクトルプロセッサに関する説明である。 |
イ | × | スーパパイプラインに関する説明である。 |
ウ | ○ | スーパスカラに関する説明である。 |
エ | × | VLIW(Very Long Instruction Word:超長命令語)に関する説明である。 |
問題12
同じ命令セットをもつコンピュータAとBがある。それぞれのCPUクロック周期、及びあるプログラムを実行したときのCPI(Cycles Per Instruction)は、表のとおりである。そのプログラムを実行したとき、コンピュータAの処理時間は、コンピュータBの処理時間の処理時間の何倍になるか。
解答:ウ
<解説>
- コンピュータAの1命令を実行するのに要する時間を計算する。
コンピュータA:1ナノ秒×4.0=4ナノ秒 - コンピュータBの1命令を実行するのに要する時間を計算する。
コンピュータB:4ナノ秒×0.5=2ナノ秒 - コンピュータAとコンピュータBの処理時間を比較する。
4ナノ秒÷2ナノ秒=2倍
したがって、(ウ)2倍になる。
問題13
キャッシュメモリを搭載したCPUの書込み動作において、主記憶及びキャッシュメモリに関し、コヒーレンシ(一貫性)の対策が必要な書込み方式はどれか。
ア | ライトスルー |
イ | ライトバック |
ウ | ライトバッファ |
エ | ライトプロテクト |
解答:イ
<解説>
ア | × | ライトスルーとは、CPUと記憶装置の間で記録を一時的に保管するキャッシュメモリーの動作方式のひとつで、CPUが記憶装置にデータを書き込むと同時に、キャッシュメモリーにも同じ内容を書き込む方式のことである。 キャッシュメモリと主記憶の内容は常に一致するので、コヒーレンシ(一貫性)の対策は不要である。 |
イ | ○ | ライトバックとは、CPUと記憶装置の間で記録を一時的に保管するキャッシュメモリーの動作方式のひとつで、CPUが記憶装置にデータを書き込む際、いったんキャッシュメモリーにデータを書き込み、処理の空き時間ができてからキャッシュメモリーからメインメモリーに書き込む方式のことである。 書込みを高速化できるメリットがあるが、キャッシュの内容と主記憶の内容が食い違うこともあるため、コヒーレンシ(一貫性)の対策が必要である。 |
ウ | × | ライトバッファとは、書込みを行なう前に一時的にデータを保管する領域のことである。 |
エ | × | ライトプロテクトとは、フロッピーディスクなどに備えられた、書き込みや削除を禁止する機構のことである。 |
問題14
RAIDの分類において、ミラーリングを用いることで信頼性を高め、障害時には冗長ディスクを用いてデータ復元を行う方式はどれか。
ア | RAID1 |
イ | RAID2 |
ウ | RAID3 |
エ | RAID4 |
解答:ア
<解説>
RAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)とは、複数の記憶装置を用いて、全体を1つの記憶装置のように制御する仕組みのことで、0から5までの6段階のレベルがある。
- RAID0
- 複数のディスクにデータを分散して読み書きし高速化したものである。(ストライピング)
- RAID1
- 複数台のハードディスクに、同時に同じ内容を書き込む。(ミラーリング)
- RAID2
- ストライピング+エラー訂正用のハミング符号をディスクに書き込む。最低で5ドライブを必要とする。
- RAID3
- ストライピング+エラー修正用にパリティビットを1台のディスクに書き込む。
- RAID4
- RAID3のパリティビットの書き込みをブロック単位で行う。
- RAID5
- パリティビットもデータと同様に分散して書き込む。
したがって、アが正解である。
問題15
ストアドプロシージャの特長を生かして通信回数を減らしたシステムをクライアントサーバイシステムで実現するとき、クライアントとサーバの機能分担構成はどれか。ここで、データベースアクセス層はDB層、ファンクション層はFN層、プレゼンテーション層はPR層とそれぞれ略す。
解答:イ
<解説>
各層の基本構成と役割は次のとおりである。
- PR層(プレゼンテーション層)
- GUIや入出力処理などのユーザインタフェースを提供
- FN層(ファンクション層)
- ユーアに提供するデータの加工処理やビジネスプロセスを行なう
- DB層(データベースアクセス層)
- システムに用いるデータベースを提供
通常のクライアントとサーバで構成される場合は、次のように配置される。
ストアドプロシージャを導入する場合は、クライアント側でストアドプロシージャに渡す引数等をサーバ側に渡す必要があるため、次のように配置される。
したがって、イが正解である。
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