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平成24年度春季解答
問題16
クラスタリングで、処理を実行しているノードXに障害が発生すると、他のノードYに処理が引き継がれる。元のノードXの障害が復旧した後、再びノードYから処理を引き継ぐことを何というか。
ア | フェールオーバ |
イ | フェールバック |
ウ | フォールダウン |
エ | フォールバック |
解答:イ
<解説>
ア | × | フェールオーバとは、サーバに障害が発生した場合に、代替サーバが処理やデータを引き継ぐ機能。平時には二つ以上のサーバが、相互に状態を監視しながらデータの同期をとって動作している。そして障害が発生した場合には、その処理とデータが直ちに代替サーバに引き継がれるので、利用者は障害による影響を意識せずに済むようになっている。 |
イ | ○ | フェールバックとは、コンピュータクラスターにおいて、障害の発生などにより「稼動系」から「待機系」へ処理を引き継いだ後、再度、本来の稼動系・待機系の構成へと戻すことである。 |
ウ | × | フォールダウンとは、通信回線上でデータを正常に送信できない場合に伝送速度を下げて再送を試みることである。 |
エ | × | フォールバックとは、通常時は複数の同じ機能を同時に使って動作している機構で,どれか一つに障害が発生した時,正常に動作しているものだけを使って動作すること |
問題17
信頼度関数がR1(t)及びR2(t)である2台の装置からなるシステム全体の信頼度関数に関する記述のうち、適切なものはどれか。ここで、信頼度関数とは時刻tにおいて装置が正常に稼動する確率である。
ア | 直列に接続した場合、R1(t)+R2(t)である。 |
イ | 直列に接続した場合、R1(t)×R2(t)である。 |
ウ | 並列に接続した場合、R1(t)+R2(t)である。 |
エ | 並列に接続した場合、R1(t)×R2(t)である。 |
解答:イ
<解説>
稼働率は次の式で求めることができる。
- 直列システム
- 1台が故障すると全体が停止する
稼働率=x×y - 並列システム
- どれが1台でも稼働していれば全体が稼働する
稼働率=(1-x)×(1-y)
x=R1(t)、y=R2(t)とすると、直列に接続した場合のシステム全体の稼働率は、R1(t)×R2(t)となる。
したがって、イが正解である。
問題18
スループットの説明として、適切なものはどれか。
ア | ジョブがシステムに投入されてからその結果が完全に得られるまでの経過時間のことであり、入出力の速度やオーバヘッド時間などに影響される。 |
イ | ジョブの稼働率のことであり、“ジョブの稼働時間÷運用時間"で求められる。 |
ウ | ジョブの同時実行可能数のことであり、使用されるシステムの資源によって上限が決まる。 |
エ | 単位時間当たりのジョブの処理件数のことであり、スプーリングはスループットの向上に役立つ。 |
解答:エ
<解説>
ア | × | ターンアラウンドタイムに関する説明である。 |
イ | × | 稼働率またはアベイラビリティ(可用性)に関する説明である。 |
ウ | × | ジョブ多重度に関する説明である。 |
エ | ○ | 単位時間当たりのジョブの処理件数のことであり,スプーリングはスループットの向上に役立つ。 |
問題19
あるクライアントサーバシステムにおいて、クライアントから要求された1件の検索を処理するために、サーバで平均100万命令が実行される。1件の検索につき、ネットワーク内で転送されるデータは、平均2×105バイトである。このサーバの性能は100MIPSであり、ネットワークの転送速度は、8×107ビット/秒である。このシステムにおいて、1秒間に処理できる検索要求は何件か。ここで、処理できる件数は、サーバとネットワークの処理能力だけで決まるものとする。また、1バイトは8ビットとする。
ア | 50 |
イ | 100 |
ウ | 200 |
エ | 400 |
解答:ア
<解説>
- サーバの性能は100MIPSである。100MIPSとは、1秒間に100万×100の命令を実行することができる。
1件の検索を処理するために、サーバで平均100万命令が実行されるので、1秒間に100件の検索処理を実行することができる。 - 1秒間に転送可能な検索件数を計算する。
- 1件の検索につき、ネットワーク内で転送されるデータは、平均2×105バイトである。
- ネットワークの転送速度は、8×107ビット/秒=1×107バイトである。
1×107バイト =50件 2×105バイト
- サーバ自体は、1秒間に100件の処理が可能であるが、ネットワークには最大で1秒間に50件分までしか検索で転送されるデータを送信できない。
したがって、50件/秒の要求しか処理できない。
したがって、アが正解である。
問題20
二つのタスクの優先度と各タスクを単独で実行した場合のCPUと入出力装置(I/O)の動作順序と処理時間は、表のとおりである。二つのタスクが同時に実行可能状態になってから、全てのタスクの実行が終了するまでの経過時間は何ミリ秒か。ここで、CPUは1個であり、I/Oの同時動作はできないものとし、OSのオーバヘッドは考慮しないものとする。また、表の( )内の数字は処理時間を示すものとする。
ア | 19 |
イ | 20 |
ウ | 21 |
エ | 22 |
解答:エ
<解説>
2つのタスクの動作を図で表すと次のようになる。
したがって、エが正解である。
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