必ず受かる情報処理技術者試験

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平成24年度春季解答

問題61

災害や事故の発生後の対応を順に、BCP発動、業務再開、業務回復、全面復旧の四つのフェーズに分けたとき、業務再開フェーズで実施するものはどれか。

代替設備や代替手段から本番環境への切替手順を慎重に確認した上で、平常運用への移行を実施するとともに、BCPの見直しなど総括を実施する。
発生事象の確認、対策本部の速やかな立上げ、確実な情報収集、BCP基本方針の決定を実施する。
最も緊急度の高い業務や機能が再開された後に、代替設備や代替手段の運営を継続しながら、さらに業務範囲の拡大を実施する。
最も緊急度の高い業務を対象に、代替設備や代替手段に切り替え、復旧作業の推進、要員などの経営資源のシフトを実施する。

解答:エ

<解説>

BCP(Business continuity planning:事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことである。

BCP発動、業務再開、業務回復、全面復旧の四つのフェーズは次の順番で行なわれる。

  1. BCP発動
  2. 業務再開
  3. 業務回復
  4. 全面復旧
× 全面復旧フェーズで実施する事項である。
× BCP発動フェーズで実施する事項である。
× 業務回復フェーズで実施する事項である。
業務再開フェーズで実施する事項である。

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問題62

情報戦略の投資対効果を評価するとき、利益額を分子に、投資額を分母にして算出するものはどれか。

EVA
IRR
NPV
ROI

解答:エ

<解説>

× EVA(Economic Value Added:経済的付加価値)は、事業活動から得られた利益(税引後営業利益)から投下資本にかかる資本コスト相当額を差し引いた余剰利益である。
× IRR(Internal Rate of Return:内部収支利益率 )は、NPVをゼロにするような割引率のこと。
× NPV(Net Present Value:正味現在価値 )は、将来のキャッシュ・インフロー(現金流入)の現在価値から、投資であるキャッシュ・アウトフロー(現金流出)の現在価値を差し引いた正味の金額のことである。
ROI(Return On Investment:投資利益率)は、投下した資本に対し、どれだけの利益が得られたかを示す指標である。ROI=利益÷投資額×100で計算される。

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問題63

業務プロセスを可視化する手法としてUMLを採用した場合の活用シーンはどれか。

データ中心にプロセスを表現するために、データをエンティティとその属性で表し、エンティティ間の関連を図に示す。
データの流れによってプロセスを表現するために、データの発生、吸収の場所、蓄積場所、データの処理をデータの流れを矢印でつないで表現する。
複数の観点でプロセスを表現するために、目的に応じたモデル図法を使用し、オブジェクトモデリングのために標準かされた記述ルールで表現する。
プロセスの機能を網羅的に表現するために、一つの要件に対し発生する事象を条件分岐の形式で記述する。

解答:ウ

<解説>

UMLは、オブジェクト指向のソフトウェア開発における、プログラム設計図の統一表記法。主なモデル図としては、クラス図、ユースケース図、シーケンス図等がある。目的に応じて図式を使用することで業務プロセスを表現することができる。

× E-R図の説明である。
× DFDの説明である。
UMLの説明である。
× 流れ図の説明である。

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問題64

共通フレーム2007によれば、システム化構想を立案する段階で行う作業はどれか。

競争優位や事業機会を生み出す情報技術の利用方法について分析する。
業務が支障なく遂行されるようにシステム運用スケジュールを作成する。
ハードウェアとネットワークの実現方法を記述したシステム構成図を作成する。
利用者の要望を基に、情報管理の観点、管理単位などを分析する。

解答:ア

<解説>

共通フレーム2007とは、情報システムの企画から開発、運用、保守、廃棄にいたるライフサイクルにおける全体の仕事のプロセスを明確にすることにより、関係者間で共通の言葉,共通のものさしが使えるように定義したものである。

共通フレーム2007において、「システム化構想の立案」は「システム化計画の立案」と共に企画プロセスを構成するアクティビティの1つで、次のタスクが定義されている。

  • 経営要求,課題の確認
  • 事業環境,業務環境の調査分析
  • 現行業務,システムの調査分析
  • 情報技術動向の調査分析
  • 対象となる業務の明確化
  • 業務の新全体像の作成
  • 対象の選定と投資目標の策定
  • システム化構想の文書化と承認
  • システム化推進体制の確立

この中で、情報技術動向の調査分析は、「情報技術の動向を調査し、企業目的を達成するため、競争優位又は医業規格を生み出す情報技術の利用方法について分析する」と定義されている。

したがって、アが正解である。

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問題65

情報システムの開発を発注するための提案依頼書(RFP)の作成と提案依頼に当たって、取得者であるユーザ企業側の対応のうち、適切なものはどれか。

RFP作成の手間を省くために、要求事項の記述は最小限に留める。曖昧な点や不完全な点があれば、供給者であるベンダ企業から取得者に都度確認させる。
取得者側では、事前に実現性の確認を行う必要性はなく、要求事項が実現可能かどうかの調査や検討は供給者であるベンダ企業側の責任で実施する。
複数の要求事項がある場合、重要な要求とそうでない要求の区別がつくようにRFP作成時点で重要度を設定しておく。
要求事項は機能的に記述するのではなく、極力、具体的な製品の種類など実現手段を細かく指定する。

解答:ウ

<解説>

RFP(Request for Proposal:提案依頼書)とは、企業や情報システム部門がITサービスなどを調達する際に、発注先となるITベンダに具体的なシステム提案を行うよう要求することである。

RFPには決まった書式はないが、システムの「概要と目的」「必要な機能」「求められるシステム条件」「サービスレベル」「予算」「納期」「契約条件」「評価プロセスと評価基準」「調達方針」「環境」などを記載する。

× あいまいな点が多いとベンダが適切な提案を作成できないので、要求事項の記述に無曖性や完全性が確保されるように作成するべきである。
× 取得者側では、要求事項が実現可能かどうかの調査や検討を事前に行う必要がある。
複数の要求事項がある場合、重要な要求とそうでない要求の区別がつくようにRFP作成時点で重要度を設定しておく。
× 要求事項の実現手段を選定するのはベンダ側である。実現手段をあまりに細かく指定するとベンダ側の提案の自由度は低くなる。

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