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平成24年度春季解答
問題66
戦略を立案するために、SWOT分析を実施した。市場機会を獲得するために自社の強みを生かすことができる戦略はどれか。
ア | 意思決定の遅さを克服して市場の平均成長率を越える。 |
イ | 営業力のなさを海外ベンダと提携して市場のグローバル化に対応する。 |
ウ | 高い技術力を応用して海外ベンダの日本市場参入に対抗する。 |
エ | データセンタの資源を生かしてクラウドコンピューティングサービスを提供する。 |
解答:エ
<解説>
SWOT分析とは、企業が戦略立案する際に使われる分析手法である。
SWOT分析では、企業の直面する外部環境(機会 (Opportunities),脅威 (Threats) )と経営資源などの内部環境(強み(Strengths),弱み (Weaknesses))を評価・分析する。
ア | × | 自社の弱み(W)を克服するための戦略である。 |
イ | × | 自社の弱み(W)を克服するための戦略である。 |
ウ | × | 脅威(T)に対抗するための戦略である。 |
エ | ○ | 自社の強み(S)を生かしている戦略である。 |
問題67
市場戦略におけるニッチ戦略の特徴はどれか。
ア | 市場での地位向上とトップシェア奪取を目標とした差別化戦略の展開を図る。 |
イ | 総市場規模を拡大することでシェアを維持しながら新規需要の獲得を図る。 |
ウ | 他社が参入しにくい特定の市場に対して専門化し、圧倒的な地位の実現を図る。 |
エ | リーダの行動を観察し、迅速に模倣することで製品開発などのコスト削減を図る。 |
解答:ウ
<解説>
マーケットシェアの大小に着目し、競争地位に応じた企業の戦略目標を提示する理論である競争地位戦略に関する問題である。
競争地位戦略では、マーケットシェアの観点から企業を4つに類型化し、競争地位に応じた戦略目標を提示している。
- リーダー
- 最大のマーケットシェアを持ち、業界を牽引する主導的立場にある企業。自社のシェアを維持、増大させるだけでなく、市場全体を拡大させることを戦略目標とする。
- チャレンジャー
- 業界で2、3番手に位置づく大企業で、リーダーに挑戦しトップを狙う企業。市場戦略による利益への影響を分析するPIMS研究によると、一般にシェアが高まると収益性が高まることがわかっています。そのため、攻撃対象を明確にし、競合他社の弱点をつくなどしてシェアを高めることを戦略目標とする。
- フォロワー
- 業界で2、3番手に位置づく大企業ですが、業界トップになることを狙わずに競合他社の戦略を模倣する企業。製品開発コストを抑え、高収益の達成を戦略目標とする。
- チャレンジャー
- シェアは高くありませんが、すきま市場(ニッチ市場)で独自の地位を獲得しようとする企業。扱い商品の価格帯や販売チャネルなどを限定し、専門化することで収益を高めることを戦略目標とする。
ア | × | チャレンジャー戦略の特徴である |
イ | × | リーダー戦略の特徴である |
ウ | ○ | ニッチ戦略の特徴である |
エ | × | フォロワー戦略の特徴である |
問題68
RFM分析において、特にR(Recency)とF(Frequency)をそれぞれ三つに分類した。表の各セルに対応する考察のうち、適切なものはどれか。
ア | AAに分類される顧客には、2度目以降の再購入を促進する特典提示や購入のお礼状が重要である。 |
イ | ACに分類される顧客には、コストを掛けてはならないので、マーケティング費用の削減が重要である。 |
ウ | CAに分類される顧客には、離反しているおそれがあるので、離反していないか調査が重要である。 |
エ | CCに分類される顧客に対しては、個人的なおもてなしを重視し、季節の挨拶などが重要である。 |
解答:ウ
<解説>
RFM分析とは、データベースを使ったターゲット・マーケティングで、顧客の過去の購買履歴を分析する手法。
3つの指標から有料顧客の特定などを行なう。
- R(最新購買日:Recency):もっとも最近購入された年月日
- F(累計購買回数:Frequency):過去1年などの一定期間に何回購入されたかの購入回数
- M(累計購買金額:Monetary):一定期間での購買金額
ア | × | AAに分類される顧客は、購買頻度が高く最終購買日も近い顧客である。 有料顧客なので個人的なおもてなしを重視し、季節の挨拶などが重要である。 |
イ | × | ACに分類される顧客は、購買回数は低いが最終購買日が近い顧客である。 これから確保したい顧客なので、2度目以降の再購入を促進する特典提示や購入のお礼状が重要である。 |
ウ | ○ | CAに分類される顧客は、購買頻度が高かったが、最終購買日は遠い顧客である。 離反している(他社の製品に乗り換えている)おそれがあるので、離反していないか調査が重要である。 |
エ | × | CCに分類される顧客は、購買頻度が低く、最終購買日は遠い顧客である。 今後期待がもてない顧客なので、コストを掛けてはならないので、マーケティング費用の削減が重要である。 |
問題69
ワントゥワンマーケティングを説明したものはどれか。
ア | 効率よく大量に生産することで、製品1個当たりのコストを低減させ、安価な製品を提供することによって、あらゆる顧客を対象にする。 |
イ | 市場シェア拡大よりも、顧客との好ましい関係を重視し、長期にわたって自社製品を購入する顧客の割合を高める。 |
ウ | 市場を複数のセグメントに細分化し、その中の幾つかのセグメントに対し、ニーズに合った製品又はマーケティングミックスを展開する。 |
エ | 製品の安全性、適切な情報の供給などに加えて、自然環境の保全、地域との融和などを目的とした企業の社会的責任を重視する。 |
解答:イ
<解説>
ワントゥワンマーケティングとは、マーケティング手法のひとつで、顧客や消費者1人ひとりの価値観やニーズ、購買履歴などの違いなどを認識・把握し、個々のニーズに合わせて、それぞれ別個にアプローチする手法のことである。
ア | × | マスマーケティングの説明である。 |
イ | ○ | ワントゥワンマーケティングの説明である。 |
ウ | × | セグメントマーケティングの説明である。 |
エ | × | ソーシャルマーケティングの説明である。 |
問題70
設定した戦略を遂行するために、財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長という四つの視点に基づいて相互の適切な関係を考慮しながら具体的に目標及び施策を策定する経営管理手法はどれか。
ア | コアコンピタンス |
イ | セグメンテーション |
ウ | バランススコアカード |
エ | プロダクトポートフォリオマネジメント |
解答:ウ
<解説>
ア | × | コアコンピタンスとは、利益をもたらすことのできる,他社より優越した自社独自のスキルや技術に経営資源を集中することである。 |
イ | × | セグメンテーションとは、市場を特定の基準によって分類し、適切な戦略を実行することである。 |
ウ | ○ | バランススコアカードとは、企業の戦略を実現するために,財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長の視点から戦略を検討したものである。 |
エ | × | プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM:Product Portfolio Management)とは、市場の成長率と自社の持つ市場シェアの比率の最適なマッチングを計り、成長を実現するための理論である。 |
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