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平成25年度秋季解答
問題11
容量がa Mバイトでアクセス時間がx ナノ秒のキャッシュメモリと、容量がb Mバイトでアクセス容量がy ナノ秒の主記憶を持つシステムにおいて、CPUからみた、主記憶とキャッシュメモリとを合わせた平均アクセス時間を表す式はどれか。ここで、読み込みたいデータがキャッシュメモリに存在しない確率をr とし、キャッシュメモリ管理に関するオーバヘッドは無視できるものとする。
解答:イ
<解説>
メモリの平均アクセス時間は、次のようになる。
- キャッシュメモリにデータが存在する場合の平均アクセス時間を計算する
(1-r)・x : データがキャッシュメモリに存在する確率×キャッシュメモリのアクセス時間 - キャッシュメモリにデータが存在しない場合の平均アクセス時間を計算する
r・y : データがキャッシュメモリに存在しない確率×主記憶のアクセス時間 - キャッシュメモリにデータが存在する場合とキャッシュメモリにデータが存在しない場合を加算し平均アクセス時間を計算する
したがって、イが正解である。
問題12
DMAの説明として、適切なものはどれか。
ア | CPUが磁気ディスクと主記憶のデータの受渡しを行う転送方式である。 |
イ | 主記憶の入出力専用アドレス空間に入出力装置のレジスタを割り当てる方式である。 |
ウ | 専用の制御回路が入出力装置や主記憶などの間のデータ転送を行う方式である。 |
エ | 複数の命令の実行ステージを部分的にオーバラップさせて同時に処理し、全体としての処理時間を短くする方式である。 |
解答:ウ
<解説>
DMA(Direct Memory Access)とは、データ転送方法の一つ。メモリからのデータ読込みをCPU(MPU)から直接行わせずDMAコントローラーを介して周辺装置とメモリー間でデータをやり取りする。
ア | × | PIO(Programmed I/O)の説明である。 |
イ | × | メモリマップドI/Oの説明である。 |
ウ | ○ | DMA(Direct Memory Access)の説明である。 |
エ | × | パイプライン制御の説明である。 |
問題13
80Gバイトの磁気ディスク8台を使用して、RAID 0の機能とRAID 1の機能の両方の機能を同時に満たす構成にした場合、実効データ容量は何Gバイトか。
ア | 320 |
イ | 480 |
ウ | 560 |
エ | 640 |
解答:ア
<解説>
RAID 0(ディスクストライピング)は、複数台のハードディスクに、データを分散して読み書きし高速化したものである。
RAID 1は、RAID 1は複数台のハードディスクに、同時に同じ内容を書き込み1台が故障した場合でも故障していない方のハードディスクの読み書きを継続できるようにしたものである。
容量が80Gバイトのデータ保存用の磁気ディスク4台にデータを保存するので、実行データ容量は80Gバイト×4=320Gバイトとなる。
問題14
分散処理システムに関する記述のうち、アクセス透過性を説明したものはどれか。
ア | 遠隔地にある資源を、遠隔地での処理方式を知らなくても、手元にある資源と同じ操作で利用できる。 |
イ | システムの運用と管理をそれぞれの組織で個別に行うことによって、その組織の実態に合ったサービスを提供することができる。 |
ウ | 集中して処理せずに、データの発生場所やサービスの要求場所で処理することによって、通信コストを削減できる。 |
エ | 対等な関係のコンピュータが複数あるので、一部が故障しても他のコンピュータによる処理が可能となり、システム全体の信頼性を向上させることができる。 |
解答:ア
<解説>
データベースシステムが分散した複数のシステムから構成されていることを利用者に意識させないことを分散透過性という。
分散データベースの透過性には次のものがある。
- アクセス透過性
- 利用者が同じ方法でアクセスできる。
- 位置透過性
- データの存在する場所を知らなくてもアクセスできる。
- 重複透過性(複製透過性)
- データが複数のサーバに重複して格納されていたとしても、アプリケーションプログラムが意識することなく利用できる。
- 分割透過性
- データが複数に分割されて保存されていたとしても、アプリケーションプログラムが意識することなく利用できる。
- 移動透過性
- データを格納しているサーバが変わっても、アプリケーションプログラムを変更することなく利用できる。
- 平行透過性
- 複数のサイトから同時に並行して操作することが可能である。
- 障害透過性
- サーバが障害で停止し別のサーバに切り替わったとしても、アプリケーションプログラムが意識することなく利用できる。
- 規模透過性
- アプリケーションやOSの構成に影響を与えることなくシステムの規模を変更できる。
- データモデル透過性
- 各サイトのデータモデルが、リレーショナルモデル、階層モデル、ネットワークモデル、ランダムファイルなどのように異なっていても、利用者が意識することなく利用できる。
ア | × | アクセス透過性の説明である。 |
イ | × | 分散処理システムの透過性ではなく、分散処理システムを用いることによるメリットである。 |
ウ | × | 移動透過性の説明である。 |
エ | ○ | 障害透過性の説明である。 |
問題15
1件のデータを処理する際に、読取りには40ミリ秒、CPU処理には30ミリ秒、書込みには50ミリ秒掛かるプログラムがある。このプログラムで、n 件目の書込みと並行してn + 1件目のCPU処理とn + 2件目の読取りを実行すると、1分当たりの最大データ処理件数は幾つか。ここで、OSのオーバヘッドは考慮しないものとする。
ア | 500 |
イ | 666 |
ウ | 750 |
エ | 1,200 |
解答:エ
<解説>
- 図式化すると次のようになり、あるデータの書き込み中に他のデータのCPU処理や読み取りを平行して行っているので、実質的には書き込みに要する50ミリ秒だけで1件のデータ処理を行っていると考えられる。
- 1分間に処理可能な最大データ件数を計算する
1分=60秒=60,000ミリ秒
60,000ミリ秒÷50(ミリ秒/件)=1,200件
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