- トップページ
- 応用情報技術者
- 平成25年度秋季問題
- 平成25年度秋季解答・解説
平成25年度秋季解答
問題16
フェールセーフの考え方として、適切なものはどれか。
ア | システムに障害が発生したときでも、常に安全側にシステムを制御する。 |
イ | システムの機能に異常が発生したときに、すぐにシステムを停止しないで機能を縮退させて運用を継続する。 |
ウ | システムを構成する要素のうち、信頼性に大きく影響するものを複数備え、システムの信頼性を高める。 |
エ | 不特定多数の人が操作しても、誤動作が起こりにくいように設計する。 |
解答:ア
<解説>
フェールセーフとは、故障や操作ミス、設計上の不具合などの障害が発生することをあらかじめ想定し、起きた際の被害を最小限にとどめるような工夫をしておくという設計思想のことである。
【例】交通管制システムが故障したときには、信号機に赤色が点灯するようにする。
ア | ○ | フェールセーフの説明である。 |
イ | × | フェールソフトの説明である。 |
ウ | × | フォールトトレラントの説明である。 |
エ | × | フールプルーフの説明である。 |
問題17
稼働率がa (0<a <1)の装置三つを用いて図のようにシステムを設計するとき、システムの稼働率が装置単体の稼働率を上回るものはどれか。
ここで、並列に接続されている部分は、いずれかの経路が稼働していればシステムは稼働しているものとする。
ア | AとB |
イ | AとC |
ウ | BとC |
エ | 全て |
解答:イ
<解説>
稼働率がa (0<a <1)として与えられているので、ここではa=0.9として、A,B,Cそれぞれの稼働率を計算する。
したがって、AとCの稼働率が装置単体の稼働率を超える。
問題18
記憶領域の動的な割当て及び解放を繰り返すことによって、どこからも利用されない記憶領域が発生することがある。このような記憶領域を再び利用可能にする機能はどれか。
ア | ガーベジコレクション |
イ | スタック |
ウ | ヒープ |
エ | フラグメンテーション |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | ガーベジコレクションとは、ガベージコレクションとは、プログラムが動的に確保したメモリ領域のうち、不要になった領域を自動的に解放する機能である。 |
イ | × | スタックとは、ある場所に格納したデータを、新しく格納した順に取り出すようにする方式。一番古く格納されたデータが一番最後に取り出される、LIFO(Last In, First Out:後入れ先出し)型のバッファのことである。 |
ウ | × | ヒープとは、コンピュータープログラミングにおいて、動的に確保可能なメモリの領域のことである。 |
エ | × | フラグメンテーションとは、ディスクに対してファイルの追加や削除を繰り返していると、ファイルが占める領域がだんだんと分断化されてゆく。これをフラグメンテーション(断片化)という。 |
問題19
プロセスのスケジューリングに関する記述のうち、ラウンドロビン方式の説明として、適切なものはどれか。
ア | 各プロセスに優先度が付けられていて、後に到着してもプロセスの優先度が処理中のプロセスよりも高ければ、処理中のものを中断し、到着プロセスを処理する。 |
イ | 各プロセスに優先度が付けられていて、イベントの発生を契機に、その時点で最高優先度のプロセスを実行する。 |
ウ | 各プロセスの処理時間に比例して、プロセスのタイムクウォンタムを変更する。 |
エ | 各プロセスを待ち行列の順にタイムクウォンタムずつ処理し、終了しないときは待ち行列の最後につなぐ。 |
解答:エ
<解説>
ラウンドロビン方式とは、プロセスに一定の長さのCPU使用時間(タイムクォンタム)を与え、その時間を使い切ったプロセスはタイマ割り込みによってCPUの使用を中断させて待ち行列の最後に回し、待ち行列の先頭のプロセスに次のCPU資源を割り当てるという形式でスケジューリングを行う。
ラウンドロビン方式ではすべてのプロセスが平等に扱われる。
ア | × | 優先度順方式の説明である。 |
イ | × | 優先度順方式の説明である。 |
ウ | × | ラウンドロビンでは、プロセスのタイムクウォンタムは一定の長さである。 |
エ | ○ | ラウンドロビン方式の説明である。 |
問題20
コンパイラにおける処理を字句解析、構文解析、意味解析、最適化の四つのフェーズに分けたとき、意味解析のフェーズで行う処理はどれか。
ア | 言語の文法に基づいてプログラムを解析し、文法誤りがないかチェックする。 |
イ | プログラムを表現する文字の列を、意味のある最小の構成要素の列に変換する。 |
ウ | 変数の宣言と使用とを対応付けたり、演算におけるデータ型の整合性をチェックする。 |
エ | レジスタの有効利用を目的としたレジスタ割付けや、不要な演算を省略するためのプログラム変換を行う。 |
解答:ウ
<解説>
コンパイラは次のフェーズによってオブジェクトプログラムを生成する。
- 字句解析:定数や識別子,演算子,予約語などの構成要素(トークン)に分解する。
- 構文解析:トークンのリストをプログラミング言語の仕様に基づき文法的に正しいのかチェックする
- 意味解析: 定数や関数の宣言と使用時の対応,型や引数のチェックをする。
- 最適化:中間コードを変形して、効率のよいプログ ラムに変換する。
ア | × | 構文解析のフェーズで行う。 |
イ | × | 字句解析のフェーズで行う。 |
ウ | ○ | 意味解析のフェーズで行う。 |
エ | × | 最適化のフェーズで行う。 |
お問い合わせ