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平成25年度秋季解答
問題51
アプリケーションにおける外部入力、外部出力、内部論理ファイル、外部インタフェースファイル、外部照会の五つの要素の個数を求め、それぞれを重み付けして集計する。 集計した値がソフトウェア開発の規模に相関するという考え方に基づいて、開発規模の見積りに利用されるものはどれか。
ア | COCOMO |
イ | Dotyモデル |
ウ | Putnamモデル |
エ | ファンクションポイント法 |
解答:エ
<解説>
ア | × | COCOMO(COnstructive COst MOdel)とは、ソフトウェアの開発規模(開発するプログラムの行数)をベースに、各工程の難易度やエンジニアの能力などいくつかの補正係数を掛け合わせて、開発工数(人月)を見積もる手法。 |
イ | × | Dotyモデルはソフトウェア開発に要する工数はプログラムのステップ数の指数乗に比例するという考え方に基づいた小規模な開発向けの見積もりモデルである。 |
ウ | × | Putnamモデルは、過去の実績亜kら導かれた曲線を基に開発機関と工数などを算出する大規模なシステム開発に適したモデルである。 |
エ | ○ | ファンクションポイント法は、ソフトウェアの機能規模を測定する手法の1つ。開発工数の見積もりに利用される。ソフトウェアのファンクションポイント(機能数)という単位でプログラムの規模を算出する。 ファンクションポイント法では、まず、アプリケーションにおける外部入力、外部出力、内部論理ファイル、外部インタフェースファイル、外部照会の五つの要素の個数を求め、それぞれを重み付けして集計する。 次に各カテゴリーに分類された各動作機能を開発の複雑度により、単純、普通、複雑の3つに区分し、複雑さの係数をかけてポイントとして算出して求める。 |
問題52
過去のプロジェクトの開発実績から構築した作業配分モデルがある。 要件定義からシステム内部開発までをモデルどおりに228日で完了してプログラム開発を開始した。 現在、200本のプログラムのうち100本のプログラム開発を完了し、残り100本は未着手の状況である。 プログラム開発以降もモデルどおりに進捗すると仮定するとき、プロジェクト全体の完了まであと何日掛かるか。
ア | 140 |
イ | 150 |
ウ | 161 |
エ | 172 |
解答:イ
<解説>
- プロジェクト全体の予定日数を計算する。
要件定義からシステム内部設計までを,228 日で完了したとしているので,
要求定義(0.25)+システム外部設計(0.21)+システム内部設計(0.11)= 0.57 を 228 日で完了している。
したがって,プロジェクト全体の予定日数は,228 ÷ 0.57 = 400 日である。 - プログラム開発の進捗率を計算する。
200 本が全体のプログラム本数である。100 本が完成し,残り 100 本が未着手なので,プログラム開発の進捗率は半分である。
これを期間比に換算すると,0.11÷2= 0.055 である。 - プロジェクト全体の完了までに必要な日数を計算する。
残りの工程の期間比は,残りのプログラム開発(0.055)+結合テスト (0.11)+システムテスト(0.21)= 0.375 である。
つまり,残り日数は 0.375 × 400 = 150 日 である。
問題53
予算が4千万円、予定期間が1年の開発プロジェクトをEVMで管理している。 半年が経過した時点でEVが1千万円、PVが2千万円、ACが3千万円であった。 このプロジェクトが今後も同じコスト効率で実行される場合、EACは何千万円になるか。
ア | 6 |
イ | 8 |
ウ | 9 |
エ | 12 |
解答:エ
<解説>
EVM(Earned Value Management:アーンドバリュー分析)とは、プロジェクトマネジメントにおいて進捗状況の把握・管理を行う手法である。
EVMでは、コスト,スケジュール(進捗)の両面からプロジェクトの状況とパフォーマンスを数値化することができる。
EVMで使用される主な用語は次のとおりである。
- AC(Actual Cost:実コスト)
- 発生したコストの総額
- EV(Earned Value:出来高)
- 完了した作業の承認済み予算で図った価値
- PV(Planned Value:計画価値)
- 予定した作業に割り当てられた承認済み予算
- BAC(Budget at Completion:完成時総予算)
- プロジェクトの完了時の実行予算総額
- EAC(Estimate At Completion:完成時総コスト見積り)
- プロジェクトの総コストの予測
EAC=AC+(BAC-EV) / CV
- EV(出来高)が1千万円なので、4千万円の予算のうち、まだ1/4の進捗である。
- AC(実コスト)は3千万円なので、全体の1/4の作業に3千万円かかったことになる。
- コスト効率が同じならば、残りの3/4の作業に3千万円×3=9千万円が必要となる。
- したがって、EAD(完成時総コスト見積もり)は、3千万円+9千万円=12千万円必要となる。
問題54
プロジェクトマネジメントにおけるリスクの対応例のうち、PMBOKの分類における転嫁に該当するものはどれか。
ア | あるサブプロジェクトの損失を、他のサブプロジェクトの利益で相殺する。 |
イ | 個人情報の漏えいが起こらないように、システムテストで使用する本番データの個人情報部分はマスキングする。 |
ウ | 損害の発生に備えて、損害賠償保険を掛ける。 |
エ | 取引先の業績が悪化して、信用に不安があるので、新規取引を止める。 |
解答:ウ
<解説>
リスクの対応戦略には次のものがある。
- リスク回避
- リスクそのものを発生させなくさせること
- リスク転嫁
- リスク発生時の影響,損失,責任の一部または全部を他社に肩代わりさせること
- リスク軽減
- リスクの発生確率及び影響度を受容できるレベルまで低減させること
- リスク受容
- 軽微なリスクに対してはあえて対策を行なわずリスクが発生した場合の損失は自社で負担すること
ア | × | リスク受容に該当する。 |
イ | × | リスク軽減に該当する。 |
ウ | ○ | リスク転嫁に該当する。 |
エ | × | リスク回避に該当する。 |
問題55
ITILによれば、障害が発生した場合にインシデント管理プロセスで行う活動はどれか。
ア | ITサービスを迅速に復旧させるために回復策を実施する。 |
イ | 既知のエラーレコードを作成して、データベースに登録する。 |
ウ | 障害対応として、RFCに基づいてシステムの構成を変更する。 |
エ | 障害の根本原因を追究し、解決策を見つけ出して実施する。 |
解答:ア
<解説>
インシデント管理とは、インシデント(システム障害などのITサービス業務を阻害又は低下させる状態)が発生した場合に、迅速なサービスの復旧を行い、企業が行う事業活動への影響を最小限に抑える事を目的としたプロセスである。
ア | ○ | インシデント管理プロセスで行うことである。 |
イ | × | 問題管理プロセスで行うことである。 |
ウ | × | 構成管理プロセスで行うことである。 |
エ | × | 問題管理プロセスで行うことである。 |
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