必ず受かる情報処理技術者試験

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平成18年度春季解答

問題31

スループットに関する記述のうち、適切なものはどれか。

ジョブとジョブの実行の間にオペレータが介入することによってシステムに遊休時間が生じても、スループットには影響を及ぼさない。
スループットは CPU 性能の指標であり、入出力の速度、オーバヘッド時間などによって影響を受けない。
多重プログラミングはターンアラウンドタイムの短縮に貢献するが、スループットの向上にはあまり役立たない。
プリンタへの出力を一時的に磁気ディスク装置へ保存するスプーリングは、スループットの向上に役立つ。

解答:エ

<解説>

スループットとは、単位時間あたりの処理能力のことである。コンピュータが単位時間内に処理できる命令の数や、通信回線の単位時間あたりの実効転送量などを意味する。

× ジョブとジョブの実行の間にオペレータが介入することによってシステムに遊休時間が生じると、スループットは低下する。
× スループットは CPU 性能の指標指標ではない。
× :多重プログラミングによってスループットは向上する。
スプーリングはスループットを向上させる代表的な技術である。

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問題32

稼働率が最も高いシステム構成はどれか。ここで、並列に接続したシステムは、少なくともそのうちのどれか一つが稼働していればよいものとする。

稼働率 70 %の同一システムを四つ並列に接続
稼働率 80 %の同一システムを三つ並列に接続
稼働率 90 %の同一システムを二つ並列に接続
稼働率 99 %の単一システム

解答:イ

<解説>

各稼働率を計算する。 イが稼働率が一番高いので正解である。

稼働率 70 %の同一システムを四つ並列に接続 1-(1-0.7)4=0.9919
稼働率 80 %の同一システムを三つ並列に接続 1-(1-0.8)3=0.992
稼働率 90 %の同一システムを二つ並列に接続 1-(1-0.9)4=0.99
稼働率 99 %の単一システム 0.99

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問題33

工作機械をマイクロコンピュータで制御するときの処置のうち、フェールセーフを考慮したものはどれか。

異常動作の信号を検知したときは、自動的に停止するようにした。
機能ごとの部品を交換しやすくして、修復時間を極力短くした。
部品の一部が故障しても、できるだけ停止しないで処理を続けるようにした。
万一に備えて、メーカの保守担当部門とホットラインを設けた。

解答:ア

<解説>

フェールセーフ
故障や操作ミス、設計上の不具合などの障害が発生することをあらかじめ想定し、起きた際の被害を最小限にとどめるような工夫をしておくという設計思想。アがフェールセーフに該当する。
フェイルソフト
システムの一部に障害が発生した際に、故障した個所を破棄、切り離すなどして障害の影響が他所に及ぼされるのを防ぎ、最低限のシステムの稼動を続けるための技術。ウがフェイルソフトに該当する。

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問題34

RASIS に関する記述のうち、可用性 (アベイラビリティ) を説明したものはどれか。

機能単位の寿命の範囲内で、一定期間における修理保守に要する平均時間を測定する。
コンピュータシステムにおける問題の判別、診断、修理などを効果的に行う。
コンピュータシステムを必要に応じていつでも使用できる状態に維持する。
不正なアクセスによって、コンピュータシステムが破壊されたり、データを盗まれたりしないように、防止策を考える。

解答:ウ

<解説>

RASISとは、コンピュータシステムが期待された機能・性能を安定して発揮できるか否かを検証するための評価項目として知られる5つの要素である。

Reliability(信頼性)
故障や障害、不具合の発生しにくさを表す。稼働時間当たりの障害発生回数(MTBF:Mean Time Between Failures)などの指標で表すことが多い。
Availability(可用性)
稼働率の高さ、障害や保守による停止時間の短さを表す。全時間に対する稼働時間の割合(稼働率)などの指標で表す場合が多い。
Serviceability(保守性)
障害復旧やメンテナンスのしやすさを表す。障害発生から復旧までの平均時間(MTTR:Mean Time To Repair)などの指標で表すことが多い。
Integrity(保全性・完全性)
過負荷時や障害時のデータの破壊や不整合のおきにくさを意味する。
Security(機密性)
外部からの侵入・改ざんや機密漏洩の起きにくさを表す。
× Serviceability(保守性)に関する説明である。
× Reliability(信頼性)に関する説明である。
Availability(可用性)に関する説明である。
× Security(機密性)に関する説明である。

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問題35

ADSL の特徴として、適切なものはどれか。

アナログ電話とデータ通信とで使用する周波数帯域を分けることによって、両者の同時利用を可能としている。
スプリッタを用いてアナログ電話と PC を同時利用する場合には、PC だけの単独利用に比べ、通信速度が低下する。
上り (利用者から電話局への方向) と下りの通信速度が異なり、上りのデータ量が多い通信アプリケーションに適している。
複数の 64kビット/秒のチャネルを束ねて伝送に用いることによって、高速通信を実現している。

解答:ア

<解説>

ADSLとは、電話線を使い高速なデータ通信を行う技術。電話の音声を伝えるのには使わない高い周波数帯を使って通信を行うxDSL技術の一種で、一般の加入電話に使われている1対の電話線を使って通信する。
× スプリッタを用いてアナログ電話と PC を同時利用する場合でも,PC だけの単独利用する場合でも,使用する周波数帯が異なるので,通信速度は変わらない。
× 上り(利用者から電話局への方向)と下りの通信速度が異なる非対称な通信方式です。下りのデータ量が多い通信アプリケーションに適しています。
× ISDN(Integrated Services Digital Network)に関する説明である。

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