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平成25年度春季解答
問題1
プロジェクトに関わるステークホルダの説明のうち、適切なものはどれか。
ア | 組織の内部に属しており、組織の外部にいることはない。 |
イ | プロジェクトに直接参加し、間接的な関与に留まることはない。 |
ウ | プロジェクトの成果が、自らの利益になる者と不利益になる者がいる。 |
エ | プロジェクトマネージャのように、個人として特定できることが必要である。 |
解答:ウ
<解説>
ステークホルダとは、企業に対して利害関係を持つ人や企業活動と関係するあらゆる関係者、すなわち利害関係者を指す。顧客,株主,従業員などの利害関係者の満足度を向上させることで、企業の継続した発展を図ることができる。
ア | × | ステークホルダは、組織の内部と外部に属している。 |
イ | × | 間接的な関与に留まるステークホルダもいる。株主や顧客などは、直接プロジェクトに参加することはない。 |
ウ | ○ | プロジェクトの成果が、自らの利益になる者と不利益になる者がいる。PMBOKでは、ステークホルダーを「プロジェクトに積極的に関与しているか、またはプロジェクトの実行あるいは完了によって自らの利益がプラスまたはマイナスの影響を受ける、顧客、スポンサー、母体組織、一般大衆のような個人や組織」と定義している。 |
エ | × | ステークホルダは、個人として特定できなくてもよい。 |
問題2
あるソフトウェア開発部門では、開発工数E(人月)と開発規模L(キロ行)との関係が、E=5.2L0.98で表される。
L=10としたときの生産性(キロ行/人月)は、およそ幾らか。
ア | 0.2 |
イ | 1.0 |
ウ | 1.9 |
エ | 5.2 |
解答:ア
<解説>
- 開発工数E(人月)と開発規模L(キロ行)の関係は、E=5.2L0.98である。解答ではおよその値を求められているので0.98を1として考える。したがってE=5.2Lとなる。
- 1の式にL=10を代入する。
E=5.2×10=52 - 生産性(キロ行/人月を計算する。
生産性(キロ行/人月) = キロ行÷人月 = 10÷52 = 0.1923… ≒ 0.2
したがって、アが解答である。
問題3
プロジェクトのライフサイクルの一般的な特徴のうち、適切なものはどれか。
ア | 開発要員数は、プロジェクト開発時が最大であり、プロジェクトが進むにつれて減少し、完了に近づくと再度増加する。 |
イ | 実現する機能の不確実性は、プロジェクトが完了に近づくにつれて減少する。 |
ウ | ステークホルダがコストを変えずにプロジェクトの成果物に対して及ぼすことができる影響の度合いは、プロジェクト完了直前が最も高くなる。 |
エ | プロジェクトが完了に近づくほど、変更やエラーの修正がプロジェクトに影響する度合いは減少する。 |
解答:イ
<解説>
ア | × | 開発要員数は、プロジェクト開始時は少なく、プログラミングおよび単体テ スト時で最大となり完了に近づくと急激に減少していく。 したがって、開発要員数はプロジェクト開発時が最大ではない。 |
イ | ○ | 実現する機能の不確実性は、プロジェクトが完了に近づくにつれて減少する。 |
ウ | × | ステークホルダがコストを変えずにプロジェクトの成果物に対して及ぼすことができる影響の度合いは、プロジェクト開始直前が最も高くなる。 |
エ | × | プロジェクトが完了に近づくほど、変更やエラーの修正がプロジェクトに影響する度合いは増加する。 |
問題4
プロジェクトの立ち上げプロセスで作成する“プロジェクト憲章”はどれか。
ア | プロジェクトの実行、監視コントロール、終結方法などを規定するために、スケジュールマネジメント計画書やリスクマネジメント計画書など、各計画プロセスのアウトプットの集合体として作成した文書 |
イ | プロジェクトのスコープを定義するために、プロジェクトの目的や成果物、プロジェクトの境界、成果物受入基準、承認要件などを記入した文書 |
ウ | プロジェクト目標を達成し、必要な要素成果物を生成するために、プロジェクトが実行する作業を階層構造で記入した文書 |
エ | プロジェクトを認知、承認するために、その要求事項、目的や妥当性、全体スケジュール、任命されたプロジェクトマネージャと権限レベルなどを記入した文書 |
解答:エ
<解説>
プロジェクト憲章とは、プロジェクトを公式に認可することを目的とした文章である。プロジェクト憲章が承認されるとプロジェクトは公式に開始される。
PMBOKでは、プロジェクト憲章は次のように定義されている。
PMBOKガイドより
「プロジェクト憲章は、プロジェクトやフェーズを公式に認可する文章を作成し、ステークホルダーのニーズと期待を満足させる初期の要求事項を文章化するプロセスである。」
ア | × | プロジェクト計画書の説明である |
イ | × | プロジェクトスコープ記述書の説明である |
ウ | × | WBSの説明である |
エ | ○ | プロジェクト憲章の説明である |
問題5
WBSの構成要素であるワークパッケージに関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | ワークパッケージは、OBSチームに、担当する人員を割り当てたものである。 |
イ | ワークパッケージは、関連ある要素成果物をまとめたものである。 |
ウ | ワークパッケージは、更にアクティビティに分解される。 |
エ | ワークパッケージは、一つ上位の要素成果物と1対1に対応する。 |
解答:ウ
<解説>
WBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトマネジメントで計画を立てる際に用いられる手法の一つで、プロジェクト全体を細かい作業に分割した構成図である。WBSでは、プロジェクトの成果物をできるだけ細かい単位に分解し、階層的に構造化していく。
WBSの最下位レベルの作業が、ワークパッケージで必要に応じていくつかのマネジメントしやすい大きさのアクティビティに分解される。
ア | × | WBSのワークパッケージごとにOBS(組織ブレークダウンストラクチャ)を割当てる。 |
イ | × | ワークパッケージは、WBSで分解された最下位レベルにある要素成果物である。 要素成果物をまとめたものはさらに分解可能なので、ワークパッケージではない。 |
ウ | ○ | ワークパッケージをスケジュール管理しやすい単位にさらに細分化することをアクティビティという。 |
エ | × | WBSでは、上位から買いに向けて分解していくことになるので、上位との関係は1対多になる。 |
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