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平成26年度春季解答
問題26
UMLを用いて表した部門と社員の関係を表すデータモデルの説明のうち、適切なものはどれか。
ア | 社員が1人も所属していない部門は登録できない。 |
イ | 社員は複数の部門に所属することができる。 |
ウ | どの部門にも所属しない社員は登録できない。 |
エ | 一つの部門に複数の社員は所属できない。 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | 社員は0以上なので、1人も所属していない部門も存在する |
イ | × | 社員は必ず1つの部門に所属する。 |
ウ | ○ | 社員は必ず部門に所属しなければならない。 |
エ | × | 部門が1に対して社員が0以上の1対多の関係なので複数の社員が所属できる。 |
問題27
次の表はどこまで正規化されたものか。
ア | 第2正規形 |
イ | 第3正規形 |
ウ | 第4正規形 |
エ | 非正規形 |
解答:ア
<解説>
データの正規化とは,データの重複をなくすことにより,データの管理を容易にしたり,データを多様な目的に用いるのに有効な方法で,データベースの構築の基本になる技法である。
通常、正規化は第1正規形~第3正規形の3段階で行う。
- 第1正規化:繰り返し部分を別レコードとして分離し固定長レコードにする。
- 第2正規化:レコードの主キーに完全従属する属性と、主キーの一部分にのみ部分従属する属性を別のレコードとして分離させる。
- 第3正規化:主キー以外の属性に従属する属性を別レコードに分割する。
- 問題文の表は繰り返し項目がないため、第1正規化を満たしている。
- 候補キーとなるものは従業員番号だけなので、第2正規化を満たしている。
- 第3正規化の条件(非キー項目は全てキー項目に関係従属し、非キー項目のいずれかが他の非キー項目に関係従属していない=推移的関係従属)は満たしていない。
したがって、アが正解である。
問題28
“東京在庫”表と“大阪在庫”表に対して、SQL文を実行して得られる結果はどれか。 ここで、実線の下線は主キーを表す。
解答:エ
<解説>
<解説>
SQLのUNION演算子やUNION ALL演算子は、2つのSELECT文の結果を結合して表示する機能を実行する。
UNION演算子は重複した行を削除し、UNION ALL演算子は重複した行をそのまま表示する。
問題では"東京在庫"表と"大阪在庫"表をUNION ALLを使って計算するので、重複した行をそのまま残す必要がある。
したがって、エが正解である。
問題29
分散データベースにおいて図のようなコマンドシーケンスがあった。 調停者がシーケンスaで発行したコマンドはどれか。 ここで、コマンドシーケンスの記述にUMLのシーケンス図の記法を用いる。
ア | COMMITの実行要求 |
イ | ROLLBACKの実行要求 |
ウ | 判定コードの書出し要求 |
エ | ログ書出しの実行要求 |
解答:イ
<解説>
問題の分散データベースでは、2相コミットメント制御を行なっている。
2相コミットメント制御とは、複数のデータベースの内容を更新するトランザクション処理において、処理が矛盾しないよう整合性を保つための手法である。2相コミットメント制御では、結果としてトランザクションはコミットされるか失敗する(ロールバックする)かのいずれかの状態となる。
問題では、COMMIT可否問合せにて「COMMIT不可」がレスポンスが返されている。したがって、(イ)ROLLBACKの実行要求を行い、UPDATE前の状態に復元する。
問題30
トランザクションの原子性(atomicity)の説明として、適切なものはどれか。
ア | データの物理的格納場所やアプリケーションプログラムの実行場所を意識することなくトランザクション処理が行える。 |
イ | トランザクションが完了したときの状態は、処理済みか未処理のどちらかしかない。 |
ウ | トランザクション処理においてデータベースの一貫性が保てる。 |
エ | 複数のトランザクションを同時に処理した場合でも、個々の処理結果は等しい。 |
解答:イ
<解説>
ACIDは、トランザクション処理の信頼性を保証するために求められる性質である。
原子性(Atomicity:不可分性)、一貫性(Consistency)、独立性(Isolation)、および永続性(Durability)から合成された頭字語である。
- 原子性(Atomicity)
- トランザクションの処理が完全に実行されるか、全く処理をしないかのどちらかである。
- 一貫性(Consistency)
- トランザクションの実行によってデータベースの内容に矛盾が生じない。
- 独立性(Isolation)
- 複数のトランザクションを同時に実行しても処理過程は他者から隠蔽され、影響されない。
- 永続性(Durability)
- トランザクションが完了した操作は、失われない。
ア | × | データベースの透過性の説明であり、ACID特性とは関係ない。 |
イ | ○ | 原子性(atomicity)の説明である。 |
ウ | × | 一貫性(Consistency)の説明である。 |
エ | × | 独立性(Isolation)の説明である。 |
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