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平成26年度春季解答
問題51
PMBOKのプロジェクト統合マネジメントにおいて、プロジェクトスコープの拡張や縮小を行うのに必要なものはどれか。
ア | 欠陥修正 |
イ | 是正措置 |
ウ | 変更要求 |
エ | 予防処理 |
解答:ウ
<解説>
「プロジェクト作業の監視・コントロール」プロセスにおいて、プロジェクトスコープの拡張や縮小を行う場合は、変更要求を発行する。
発行された変更要求に対応するために是正処置,予防処置,欠陥修正などが行われる。
- 是正処置
- 予期される将来のパフォーマンスをプロジェクトマネジメント計画書に沿ったものとするために、プロジェクト作業に出される文章による指示
- 予防処置
- プロジェクト・リスクによって好ましくない結果が発生する可能性を低減するためにとられる行動の文章による指示
- 欠陥修正
- プロジェクト構成要素の欠陥の公式な文章による特定
ア | × | 欠陥修正とは、品質検査プロセスにおいて発見されたシステムの欠陥を修正することである。 |
イ | × | 是正措置とは、予期される将来の成果を計画書に沿ったものにするために出される文書による指示である。 |
ウ | ○ | 正しい。 |
エ | × | 予防処理とは、リスクによってプロジェクトに好ましくない結果が発生する確率を減らすために行う処置である。 |
問題52
システム開発のプロジェクトにおいて、EVMを活用したパフォーマンス管理をしている。 開発途中のある時点でCV(コスト差異)の値が正、SV(スケジュール差異)の値が負であるとき、プロジェクトはどのような状況か。
ア | 開発コストが超過し、さらに進捗も遅れているので、双方について改善するための対策が必要である。 |
イ | 開発コストと進捗がともに良好なので、今のパフォーマンスを維持すればよい。 |
ウ | 開発コストは問題ないが、進捗に遅れが出ているので、遅れを改善するための対策が必要である。 |
エ | 進捗は問題ないが、開発コストが超過しているので、コスト効率を改善するための対策が必要である。 |
解答:ウ
<解説>
EVM(Earned Value Management:アーンドバリュー分析)とは、プロジェクトマネジメントにおいて進捗状況の把握・管理を行う手法である。
EVMでは、コスト,スケジュール(進捗)の両面からプロジェクトの状況とパフォーマンスを数値化することができる。
EVMで使用される主な用語は次のとおりである。
- AC(Actual Cost:実コスト)
- 発生したコストの総額
- EV(Earned Value:出来高)
- 完了した作業の承認済み予算で図った価値
- PV(Planned Value:計画価値)
- 予定した作業に割り当てられた承認済み予算
- SV(Schedule Variance:スケジュール差異)
- SV=EV-PV
作業の進捗をスケジュールと比較して金額換算したもの。
SV>0ならスケジュールより早く進んでいること,SV<0ならスケジュールより遅れて進んでいることを示す。 - CV(Cost Variance:コスト差異)
- CV=EV-AC
CV>0なら予算以内で各タスクが進んでいること,CV<0なら予算超過状態で進んでいることを示す。
したがって、開発途中のある時点でCV(コスト差異)の値が正の場合は開発コストは問題がなく、SV(スケジュール差異)の値が負であるときは、進捗に遅れが出ているので、遅れを改善するための対策が必要である。したがって、ウが正解である
問題53
スコープを縮小せずにプロジェクト全体のスケジュールを短縮する技法の一つである“クラッシング”では、メンバの時間外勤務を増やしたり、業務内容に精通したメンバを新たに増員したりする。 “クラッシング”を行う際に、優先的に資源を投入すべきスケジュールアクティビティはどれか。
ア | 業務の難易度が最も高いスケジュールアクティビティ |
イ | クリティカルパス上のスケジュールアクティビティ |
ウ | 資源が確保できる時期に開始するスケジュールアクティビティ |
エ | 所要期間を最も長く必要とするスケジュールアクティビティ |
解答:イ
<解説>
クラッシングに関する問題である。
クラッシングとは、コストとスケジュールのトレードオフを分析し、最小の追加コストで最大の期間短縮を得る方法を決定するスケジュール短縮技法である。十分な検討の上での対応が必要となる。
クリティカルパス以外のタスクの所要時間を短縮しても、プロジェクト期間や業務の期間短縮にはあまり貢献しない。
したがって、優先的に資源を投入すべきスケジュールアクティビティはクリティカルパス上のスケジュールアクティビティである。
よって、イが正解である。
問題54
ある会社におけるウォータフォールモデルによるシステム開発の標準では、開発工程ごとの工数比率を表1のとおりに配分することになっている。 全体工数が40人月と見積もられるシステム開発に対し、表2に示す開発要員数を割り当てることになった。 このシステム開発に要する期間は何か月になるか。
ア | 2.5 |
イ | 6.7 |
ウ | 12 |
エ | 14 |
解答:エ
<解説>
ウォータフォールモデルは、上流から下流に向かって基本的に一方通行で行う開発モデルである。ウォータフォールモデルでは、見直しが上流であるほど影響が大きくなる。
問題文より、開発要員を計算すると、次のようになる。
問題55
ITサービスマネジメントにおける回避策(ワークアラウンド)の説明として、適切なものはどれか。
ア | インシデント対応手順として採られる、サービスへの影響を低減又は除去する方法のこと |
イ | 検出したイベントを情報、警告又は例外のカテゴリに分類すること |
ウ | 特定の期間に発生したインシデントや問題に対して、影響を受けた人数、停止時間の長さなどを考慮に入れて事業への影響を分析すること |
エ | 特定のサービス文又は作業負荷をピーク時間外の時間帯に移動させて、作業負荷の平準化を図ること |
解答:ア
<解説>
回避策(ワークアラウンド)とは、問題が発生した際の回避策のことである。完全な解決策がまだ存在しないインシデントや問題のインパクトを低減または排除する手段や方法である。
ア | ○ | 回避策(ワークアラウンド)の説明である。 |
イ | × | イベント管理の説明である。 |
ウ | × | ビジネスインパクト分析の説明である。 |
エ | × | キャパシティ管理の説明である。 |
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