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平成20年度春季解答
問題31
図に示すように,2系統のシステムで構成され,一方は現用系としてオンライン処理を行い,もう一方は待機系として現用系の故障に備えている。通常,待機系はバッチ処理を行っている。このようなシステム構成を何と呼ぶか。
ア | シンプレックスシステム |
イ | デュアルシステム |
ウ | デュプレックスシステム |
エ | パラレルプロセッサシステム |
解答:ウ
<解説>
ア | × | シンプレックスシステムは、処理系統を二重化せず一系統のみで運用するシステム。1台が故障するとシステム全体が停止するので、信頼性は低い。 |
イ | × | デュアルシステムは、並列に接続された複数の処理装置が同時に同じ処理を行い,相互に結果を照合する。処理装置をすべて二重化し並列に同じ処理を同時実行させ,故障時に故障した処理装置を切り離す方式。 |
ウ | ○ | デュプレックスシステムは、オンライン処理を行う主系と故障に備えた待機系からなる2系統のシステムで構成されている。故障時に主系から待機系に切替え処理を続行する。 |
エ | × | パラレルプロセッサシステムは、複数のCPUで構成され、異なる処理を並列的に実行するシステム。 |
問題32
図のように,1台のサーバ,3台のクライアント及び2台のプリンタが LAN で接続されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて,サーバにあるデータをプリンタに出力する。各装置の稼働率が表のとおりであるならば,このシステムの稼働率を表す計算式はどれか。ここで,クライアントは3台のうち1台でも稼働していれば正常とみなし,プリンタは2台のうちどちらかが稼働していれば正常とみなす。
ア | ab3c2 |
イ | a(1-b3)(1 - c2) |
ウ | a(1-b)3(1-c)3 |
エ | a(1-(1-b)3)(1-(1-c)2) |
解答:エ
<解説>
システム全体の構成は次のようになる。
サーバの稼働率 | = | a |
クライアントの稼働率 | = | 1-(クライアント3台すべてが稼動しない確率) |
= | 1-(1-b)×(1-b)×(1-b) | |
= | 1-(1-b)3 | |
プリンタの稼働率 | = | 1-(プリンタ2台とも稼動しない確率) |
= | 1-(1-c)×(1-c) | |
= | 1-(1-c)2 | |
システム全体の稼働率 | = | サーバの稼働率×クライアントの稼働率×プリンタの稼働率 |
= | a(1-(1-b)3)(1-(1-b)2) |
問題33
5台の磁気ディスクをすべて使用し,1週間に 100 時間連続運転するシステムがある。磁気ディスク1台の MTBF が 10,000 時間のとき,このシステムは平均何週間に1回の割合で故障が発生するか。ここで,MTTR は MTBF に対して無視できるほど小さく,磁気ディスク以外の構成要素の故障は考慮しないものとする。
ア | 20 |
イ | 100 |
ウ | 500 |
エ | 2,000 |
解答:ア
<解説>
MTBF(Mean Time Between Failure:平均故障間隔) | ある機器やシステムが故障するまでの時間の平均値。 |
MTTR(Mean Time To Repair:平均修理時間) | 故障したコンピュータシステムの復旧にかかる時間の平均値。 |
磁気ディスク1台のMTBFが10,000時間なので、磁気ディスク1台は10,000時間に1回故障する。
磁気ディスクは5台あるので、10,000時間に5回故障するので、
10,000÷5 | = | 2,000 |
となる。すなわち2,000時間に1度故障する。
システムは1週間に100時間稼働するので、2000÷100=20週間に1回の割合で故障する。
問題34
コンピュータシステムの高信頼化技術は,目標とする特性から RASIS と呼ばれる。RASIS を構成する五つの要素はどれか。
ア | 信頼性,可用性,保守性,保全性,機密性 |
イ | 信頼性,経済性,拡張性,再現性,操作性 |
ウ | 正確性,可用性,拡張性,保全性,機密性 |
エ | 正確性,経済性,保守性,再現性,操作性 |
解答:ア
<解説>
RASISとは、コンピュータシステムが期待された機能・性能を安定して発揮できるか否かを検証するための評価項目として知られる5つの要素。
- Reliability(信頼性)
- 故障や障害、不具合の発生しにくさを表す。稼働時間当たりの障害発生回数(MTBF:Mean Time Between Failures)などの指標で表すことが多い。
- Availability(可用性)
- 稼働率の高さ、障害や保守による停止時間の短さを表す。全時間に対する稼働時間の割合(稼働率)などの指標で表す場合が多い。
- Serviceability(保守性)
- 障害復旧やメンテナンスのしやすさを表す。障害発生から復旧までの平均時間(MTTR:Mean Time To Repair)などの指標で表すことが多い。
- Integrity(保全性・完全性)
- 過負荷時や障害時のデータの破壊や不整合のおきにくさを意味する。
- Security(機密性)
- 外部からの侵入・改ざんや機密漏洩の起きにくさを表す。
問題35
IP 電話において,電話番号と IP アドレスの対応を管理することを主たる機能とする装置はどれか。
ア | IP 電話機 |
イ | VoIP ゲートウェイ |
ウ | ゲートキーパ |
エ | ルータ |
解答:ウ
<解説>
ア | × | IIP電話は、音声電話のうち、通信インフラにIPを使用したものである。 |
イ | × | VoIP ゲートウェイは、アナログ音声信号のディジタル符号化/パケット化,音声パケットからアナログ音声信号に復元する処理を行う装置 |
ウ | ○ | ゲートキーパは、電話番号とIPアドレスの対応付けなどを管理・運用する制御用サーバー。大規模なVoIPネットワークを構築する場合に利用する。 |
エ | × | ルータは、複数の異なるネットワーク間でデータのやりとりを中継するための機器 |
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