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平成27年度秋季解答
問題11
有機ELディスプレイの説明として、適切なものはどれか。
ア | 電圧をかけて発光素子を発光させて表示する。 |
イ | 電子ビームが発光体に衝突して生じる発光で表示する。 |
ウ | 透過する光の量を制御することで表示する。 |
エ | 放電によって発生した紫外線で、蛍光体を発光させて表示する。 |
解答:ア
<解説>
有機 EL ディスプレイは、特殊な有機物に電圧をかけることでその有機物自体が発行する現象(有機エレクトロルメネッセンス)を利用したディスプレイ装置である。
液晶ディスプレイと比較して、自発光型(バックライトが不要),薄型化が可能,応答速度が速い,視野角が広い,寿命が短い,発熱が大きいなどの特徴がある。
ア | ○ | 有機ELディスプレイの説明である。 |
イ | × | CRTディスプレイの説明である。 |
ウ | × | 液晶ディスプレイの説明である。 |
エ | × | プラズマディスプレイの説明である。 |
問題12
クラスタリングシステムで、ノード障害が発生したときに信頼性を向上させる機能のうち、適切なものはどれか。
ア | アプリケーションを代替ノードに転送して実行するためのホットプラグ機能が働く。 |
イ | アプリケーションを再び動かすために、代替ノードを再起動する機能が働く。 |
ウ | 障害ノードを排除して代替ノードでアプリケーションを実行させるフェールオーバ機能が働く。 |
エ | ノード間の通信が途切れるので、クラスタの再構成を行うフェールバック機能が働く。 |
解答:ウ
<解説>
クラスタリングシステムとは、複数のコンピュータを組み合わせてシステムを構築し、システムの一部で障害が発生しても、他の装置に処理を代行させることでシステムの完全停止を防ぐことを目的とした手法である。
ア | × | ホットプラグ機能は電源を入れたまま機器の脱着を可能とする機能である。 |
イ | × | 電源異常などの重大な障害が発生した場合、そのノードは再起動できないので障害ノードを再起動せず、代替ノードだけで処理を行う。 |
ウ | ○ | 障害ノードを排除して代替ノードでアプリケーションを実行させるフェールオーバ機能が働く。 |
エ | × | フェールバック機能とは、障害が発生したノードが障害から復旧した際に、それまで処理を行っていた代替ノードからデータを引き継いで処理を再開することである。フェールバック機能は障害発生時ではなく、障害復旧後に行われる。 |
問題13
次のシステムにおいて、ピーク時間帯のCPU使用率は何%か。ここで、トランザクションはレコードアクセス処理と計算処理から成り、レコードアクセスはCPU処理だけでI/Oは発生せず、OSのオーバヘッドは考慮しないものとする。また、1日のうち発生するトランザクション数が最大になる1時間をピーク時間帯と定義する。
[システムの概要] | |
(1) | CPU数:1個 |
(2) | 1日に発生する平均トランザクション数:54,000件 |
(3) | 1日のピーク時間帯におけるトランザクション数の割合:20% |
(4) | 1トランザクション当たりの平均レコードアクセス数:100レコード |
(5) | 1レコードアクセスに必要な平均CPU時間:1ミリ秒 |
(6) | 1トランザクション当たりの計算処理に必要な平均CPU時間:100ミリ秒 |
ア | 20 |
イ | 30 |
ウ | 50 |
エ | 60 |
解答:エ
<解説>
- 計算処理に必要なCPU時間を計算する。
ピーク時間帯のトランザクション数は54,000(件)×0.2=10,800(件)
100(ミリ秒)×10,800(件)=1,080,000(ミリ秒)=1,080(秒) - レコードアクセスに必要なCPU時間を計算する
1,080,000(レコード)×1(ミリ秒)=1,080,000(ミリ秒)=1,080(秒) - 1,2よりピーク時間帯に用いるCPU時間を計算する
1,080(秒)+1,080(秒)=2,160(秒) - CPUの利用率を計算する
ピーク時間帯は1時間と定義されているため
2,160(秒)÷3,600(秒)=0.6=60%
問題14
システムの信頼性設計に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | フェールセーフとは、ユーザの誤操作によってシステムがダウンしてしまうことのないように、単純なミスを誘発させないようにする設計方法である。 |
イ | フェールソフトとは、故障が発生した場合でも機能を縮退させることなく稼動を継続する概念である。 |
ウ | フォールトアボイダンスとは、システム構成要素の個々の品質を高めて故障が発生しないようにする概念である。 |
エ | フォールトトレラントとは、故障が生じてもシステムに重大な影響が出ないように、あらかじめ定められた安全状態にシステムを固定し、全体として安全が維持されるような設計手法である。 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | フールプループとは、ユーザの誤操作によってシステムがダウンしてしまうことのないように、単純なミスを誘発させないようにする設計方法である。 |
イ | × | フォールトトレラントとは、故障が発生した場合でも機能を縮退させることなく稼動を継続する概念である。 |
ウ | ○ | フォールトアボイダンスとは、システム構成要素の個々の品質を高めて故障が発生しないようにする概念である。 |
エ | × | フェールセーフとは、故障が生じてもシステムに重大な影響が出ないように、あらかじめ定められた安全状態にシステムを固定し、全体として安全が維持されるような設計手法である。 |
問題15
MTBFがx 時間、MTTRがy 時間のシステムがある。使用条件が変わったので、MTBF、MTTRがともに従来の1.5倍になった。新しい使用条件での稼働率はどうなるか。
ア | x 、y の値によって変化するが、従来の稼働率よりは大きい値になる。 |
イ | 従来の稼働率と同じ値である。 |
ウ | 従来の稼働率の1.5倍になる。 |
エ | 従来の稼働率の2/3倍になる。 |
ア | x、yの値によって変化するが、従来の稼働率よりは大きい値になる。 |
イ | 従来の稼働率と同じ値である。 |
ウ | 従来の稼働率の1.5倍になる。 |
エ | 従来の稼働率の2/3倍になる。 |
解答:イ
<解説>
稼働率は次式で計算することができる。
稼働率 | = | MTBF | |
MTBF+MTTR |
- MTBF(Mean Time Between Failure:平均故障間隔)
- ある機器やシステムが故障するまでの時間の平均値。
- MTTR(Mean Time To Repair:平均修理時間)
- 故障したコンピュータシステムの復旧にかかる時間の平均値。
MTBFとMTTRを両方とも1.5倍しても
1.5×MTBF | = | MTBF |
1.5×MTBF+1.5×MTTR | MTBF+MTTR |
となる。
したがって、(イ)従来の稼働率と同じ値になる。
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