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平成27年度秋季解答
問題51
WBS作成プロセスが含まれるマネジメントプロセスはどれか。
ア | プロジェクトコストマネジメント |
イ | プロジェクトスコープマネジメント |
ウ | プロジェクト品質マネジメント |
エ | プロジェクトリスクマネジメント |
解答:イ
<解説>
プロジェクトマネジメントプロセスに関する知識やプロセスは次の9つの知識エリアに分類される。
したがって、WBS作成プロセスは、(イ)プロジェクトスコープマネジメントに含まれる。
問題52
プロジェクト管理においてパフォーマンス測定に使用するEVMの管理対象の組みはどれか。
ア | コスト、スケジュール |
イ | コスト、リスク |
ウ | スケジュール、品質 |
エ | 品質、リスク |
解答:ア
<解説>
EVM(Earned Value Management:アーンドバリュー分析)とは、プロジェクトマネジメントにおいて進捗状況の把握・管理を行う手法である。
EVMでは、コスト,スケジュール(進捗)の両面からプロジェクトの状況とパフォーマンスを数値化することができる。
EVMで使用される主な用語は次のとおりである。
- AC(Actual Cost:実コスト)
- 発生したコストの総額
- EV(Earned Value:出来高)
- 完了した作業の承認済み予算で図った価値
- PV(Planned Value:計画価値)
- 予定した作業に割り当てられた承認済み予算
- SV(Schedule Variance:スケジュール差異)
- SV=EV-PV
作業の進捗をスケジュールと比較して金額換算したもの。
SV>0ならスケジュールより早く進んでいること,SV<0ならスケジュールより遅れて進んでいることを示す。 - CV(Cost Variance:コスト差異)
- CV=EV-AC
発生した実コストを予定コストと比較した差異。
CV>0なら実コストが予算内に収まっていることを示しCV<0なら予算超過していることを示す。 - WP(Work Packae:ワークパッケージ)
- WBSにおけるコントロールの最小単位,詳細作業
- CPI(Cost Performance Index:コスト効率指数)
- CPI=EV / AC
- SPI(Schedule Performance Index:スケジュール効率指数)
- SPI=EV / PV
- BAC(Budget at Completion:完成時総予算)
- プロジェクトの完了時の実行予算総額
- EAC(Estimate At Completion:完成時総コスト見積り)
- プロジェクトの総コストの予測
EAC=AC+(BAC-EV) / CV
品質やリスクはEVMの管理対象ではない。したがって、アが正解である。
問題53
図に示すとおりに作業を実施する予定であったが、作業Aで1日遅れが生じた。 各作業の費用増加率を表の値とするとき、当初の予定日数で終了するためにかかる増加費用を最も少なくするには、どの作業を短縮すべきか。 ここで、費用増加率とは、作業を1日短縮するのに要する増加費用のことである。
ア | B |
イ | C |
ウ | D |
エ | E |
解答:エ
<解説>
- 作業Gは作業E,C,Fのすべてが終了しなければ開始できない。各作業の終了日時を計算する。
作業E = 4+6+5=15日 作業C = 4+8=12日 作業F = 4+4+4=12日 - 作業Eの終了日時が一番遅いので作業Gは15日目から開始することができる。
クリティカルパスはA→B→E→Gである。
各作業の費用増加率は次の通りである。 費用増加率が一番小さいのはEである。A : 4 B : 6 E : 2.5 G : 5
したがって、エが正解である。
問題54
ソフトウェアの開発規模見積りに利用されるファンクションポイント法の説明はどれか。
ア | WBSによって作業を洗い出し、過去の経験から求めた作業ごとの工数を積み上げて規模を見積もる。 |
イ | 外部仕様から、そのシステムがもつ入力、出力や内部論理ファイルなどの5項目に該当する要素の数を求め、複雑さを考慮した重みを掛けて求めた値を合計して規模を見積もる。 |
ウ | ソフトウェアの開発作業を標準作業に分解し、それらの標準作業ごとにあらかじめ決められた標準工数を割り当て、それらを合計して規模を見積もる。 |
エ | プログラム言語とプログラマのスキルから経験的に求めた標準的な生産性と、必要とされる手続きの個数とを掛けて規模を見積もる。 |
解答:イ
<解説>
ファンクションポイント法は、ソフトウエアの規模や開発工数を見積もるための手法の1つである。
ファンクション・ポイント法では開発する業務システムが扱う外部入力などの5種類のデータを拾い上げ、さらに処理の複雑さなどの14項目から定めた補正係数を掛け合わせてファンクション・ポイント数を求める。その上で過去に開発したシステムのファンクション・ポイント数と照合して工数を決める。
ア | × | 積上げ法(ボトムアップ法)の説明である。 |
イ | ○ | ファンクションポイント法の説明である。 |
ウ | × | 標準タスク法の説明である。 |
エ | × | COCOMO法の説明である。 |
問題55
ITILは、各プロセスに対する重要成功要因(CSF)と重要業績評価指標(KPI)を例示している。次のインシデント管理のCSFに対するKPIとして、適切なものはどれか。
[CSF]
インシデントをできるだけ迅速に解決し、事業へのインパクトを最小限にする。
ア | インシデントの総件数 |
イ | サービスデスクが他のサポート・レベルに問い合わせずにクローズできたインシデントの割合 |
ウ | サービスデスク担当者当たりの処理したインシデントの件数 |
エ | 変更とリリースに関連するインシデントの件数と割合 |
解答:イ
<解説>
KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)とは、企業目標やビジネス戦略を実現するために設定した具体的な業務プロセスをモニタリングするために設定される指標のうち、特に重要なものを指す。
CSF(Critical Success Factors:主要成功要因)は、経営戦略やITガバナンスなどを計画的に実施する際、その目標・目的を達成する上で決定的な影響を与える要因のことである。
ア | × | インシデントの総件数は、インシデントの量を把握することはできるが、インシデントの解決というKPIにはふさわしくない。 |
イ | ○ | サービスデスクが他のサポート・レベルに問い合わせずにクローズできたインシデントの割合は、インシデントの受付窓口のサービスデスクの一時対応で迅速に解決できた件数なので、評価指標になる。 |
ウ | × | サービスデスク担当者当たりの処理したインシデントの件数は、担当者の処理能力の向上に関しての評価はできるが、インシデントの解決というKPIにはふさわしくない。 |
エ | × | 変更とリリースに関連するインシデントの件数と割合は、インシデントの解決というKPIにはふさわしくない。 |
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