- トップページ
- 応用情報技術者
- 平成28年度春季問題
- 平成28年度春季解答・解説
平成28年度春季解答
問題11
液晶ディスプレイ(LCD)の特徴として、適切なものはどれか。
ア | 電圧を加えると発光する有機化合物を用いる。 |
イ | 電子銃から発射された電子ビームが蛍光体に当たって発光する。 |
ウ | 光の透過を画素ごとに制御し、カラーフィルタを用いて色を表現する。 |
エ | 放電によって発生する紫外線と蛍光体を利用する。 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | 有機ELディスプレイの特徴である。 |
イ | × | ブラウン管ディスプレイの特徴である。 |
ウ | ○ | 液晶ディスプレイの特徴である。 |
エ | × | プラズマディスプレイの特徴である。 |
問題12
クライアントサーバシステムの3層アーキテクチャを説明したものはどれか。
ア | アプリケーションに必要なGUIとAPIをプレゼンテーション層とファンクション層に分離したアーキテクチャであり、データベースを独立させている。 |
イ | プレゼンテーション層、ファンクション層、データ層に分離したアーキテクチャであり、各層のOSは異なってもよい。 |
ウ | プレゼンテーション層とデータ層をミドルウェア層によって連携したアーキテクチャであり、各層をネットワークで接続されたコンピュータに分散する。 |
エ | プレゼンテーション層とファンクション層を結合し、データ層を分離したアーキテクチャであり、データベースサーバを効率的に運用できる。 |
解答:イ
<解説>
3層クライアントサーバーシステムとは、システムをプレゼンテーション層,ファンクション層,データベースアクセス層の3つの階層にわけて構築したものである。
アプリケーションの修正や追加が頻繁なシステムにおいて個々の層に分割することで、個々の層にかかる負荷を分散させ設計の独立性を高めるシステム構築技法である。
- プレゼンテーション層:ユーザーインターフェースの部分。画面表示や操作などのインタフェース
- ファンクション層:システムのロジック部分。データ加工などのアプリケーションの処理。
- データベースアクセス層:データベース部分。データベースへのアクセス。
ア | × | 3層アーキテクチャは、データベースを含めた構成である。 |
イ | ○ | 正しい。 |
ウ | × | ミドルウェア層ではなく、ファンクション層である。 |
エ | × | プレゼンテーション層とファンクション層は分離されている。 |
問題13
現状のHPC(High Performance Computing)マシンの構成を、次の条件で更新することにした。更新後の、ノード数と総理論ピーク演算性能はどれか。ここで、総理論ピーク演算は、コア数に比例するものとする。
[現状の構成]
(1) 一つのコアの理論ピーク演算性能は10GFLOPSである。
(2) 一つノードのコア数は8個である。
(3) ノード数は1,000である。
[更新条件]
(1) 一つのコアの理論ピーク演算性能を現状の2倍にする。
(2) 一つノードのコア数を現状の2倍にする。
(3) 総コア数を現状の4倍にする。
解答:イ
<解説>
HPC(High Performance COmputing)は、スーパーコンピュータや並列化したワークステーションクラスタやパーソナルコンピュータークラスタによって高速な計算を実行する技術である。
サーバやPCなどのコンピュータを「ノード」,各ノードに含まれるCPUなどの機器を「コア」という。
【現状の構成】
- 総コア数を計算する。
8×1,000 = 8,000個 - 総理論ピーク演算性能を計算する。
10 GFLOPS×8,000 = 80,000GFLOPS = 80 TFLOPS
【更新後の構成】
総コア数を現状の4倍の32,000(8,000×4)コアに,一つのノードのコア数を現状の2倍の16(8×2)コアにする。
- 更新後のノード数を計算する。
32,000コア÷16コア = 2,000ノード - 総理論ピーク演算性能を計算する。
※更新後の一つのコアの理論ピーク演算性能を現状の2倍の20GFLOPSにする。20 GFLOPS×32,000コア = 640,000GFOLPS = 640 TFLOPS
したがって、イが正解である。
問題14
仮想サーバの運用サービスで使用するライブマイグレーションの概念を説明したものはどれか。
ア | 仮想サーバで稼働している0Sやソフトウェアを停止することなく、他の物理サーバへ移し替える技術である。 |
イ | データの利用目的や頻度などに応じて、データを格納するのに適したストレージヘ自動的に配置することによって、情報活用とストレージ活用を高める技術である。 |
ウ | 複数の利用者でサーバやデータベースを共有しながら、利用者ごとにデータベースの内容を明確に分離する技術である。 |
エ | 利用者の要求に応じてリソースを動的に割り当てたり、不要になったリソースを回収して別の利用者のために移し替えたりする技術である。 |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | ライブマイグレーションの説明である。 ライブマイグレーションとは、動作中の仮想マシンを停止させることなく別のサーバに移動して処理を継続させる機能である。 |
イ | × | ストレージ自動階層化の説明である。 ストレージ自動階層化とは、異なる要領やあくっす速度が混載されたストレージ基盤においてデータアクセスを監視し、最適なストレージ基盤においてデータアクセスを監視し、最適なストレージにデータ再配置を行う機能である。 |
ウ | × | データベースのマルチテナント方式の説明である。 マルチテナント方式とは、1つのシステムの中に複数の企業(ユーザー)のサービスを同居させ、リソースや運用コストを大幅に低減する方式である。 |
エ | × | リソースオンデマンドの説明である。 リソースオンデマンドとは、データセンター事業者の提供するサーバーへシステムアプリケーションやデータを預け、CPU、メモリ、ディスク、ネットワーク帯域など必要なときに必要な分だけ利用するサービスをいう。 |
問題15
分散処理システムに関する記述のうち、アクセス透過性を説明したものはどれか。
ア | 遠隔地にある資源を、遠隔地での処理方式を知らなくても、手元にある資源と同じ操作で利用できる。 |
イ | システムの運用と管理をそれぞれの組織で個別に行うことによって、その組織の実態に合ったサービスを提供することができる。 |
ウ | 集中して処理せずに、データの発生場所やサービスの要求場所で処理することによって、通信コストを削減できる。 |
エ | 対等な関係のコンピュータが複数あるので、一部が故障しても他のコンピュータによる処理が可能となり、システム全体の信頼性を向上させることができる。 |
解答:ア
<解説>
データベースシステムが分散した複数のシステムから構成されていることを利用者に意識させないことを分散透過性という。
分散データベースの透過性には次のものがある。
- アクセス透過性
- 利用者が同じ方法でアクセスできる。
- 位置透過性
- データの存在する場所を知らなくてもアクセスできる。
- 重複透過性(複製透過性)
- データが複数のサーバに重複して格納されていたとしても、アプリケーションプログラムが意識することなく利用できる。
- 分割透過性
- データが複数に分割されて保存されていたとしても、アプリケーションプログラムが意識することなく利用できる。
- 移動透過性
- データを格納しているサーバが変わっても、アプリケーションプログラムを変更することなく利用できる。
- 平行透過性
- 複数のサイトから同時に並行して操作することが可能である。
- 障害透過性
- サーバが障害で停止し別のサーバに切り替わったとしても、アプリケーションプログラムが意識することなく利用できる。
- 規模透過性
- アプリケーションやOSの構成に影響を与えることなくシステムの規模を変更できる。
- データモデル透過性
- 各サイトのデータモデルが、リレーショナルモデル、階層モデル、ネットワークモデル、ランダムファイルなどのように異なっていても、利用者が意識することなく利用できる。
ア | ○ | アクセス透過性の説明である。 |
イ | × | 分散処理システムの透過性ではなく、分散処理システムを用いることによるメリットである。 |
ウ | × | 移動透過性の説明である。 |
エ | × | 障害透過性の説明である。 |
お問い合わせ