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平成28年度春季解答
問題26
コンピュータグラフィックスの要素技術に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | アンチエイリアシングは、周囲の画素との平均値演算などを施すことによって、斜め線や曲線のギザギザを目立たなくする。 |
イ | メタボールは、光の相互反射を利用して物体表面の光エネルギーを算出することによって、表面の明るさを決定する。 |
ウ | ラジオシティは、光源からの光線の経路を計算することによって、光の反射や透過などを表現し、物体の形状を描画する。 |
エ | レイトレーシングは、物体を球や楕円体の集合として擬似的にモデル化する。 |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | アンチエイリアシングは、周辺の画素との平均化演算などを施すことで、斜め線や曲線のギザギザを目立たなくする。 |
イ | × | ラジオシティは、光の相互反射を利用して物体表面の光のエネルギーを算出することで、表面の明るさを決定する。 |
ウ | × | レイトレーシングは、光源からの光線の経路を計算することで光の反射や透過などを表現し、物体の形状を描画する。 |
エ | × | メタボールは、物体を球やだ円体の集合として擬似的にモデル化する。 |
問題27
関数従属を次のように表記するとき、属性a~eで構成される関係を第3正規形にしたものはどれか。
解答:エ
<解説>
通常、正規化は第1正規形~第3正規形の3段階で行う。
- 第1正規化:繰り返し部分を別レコードとして分離し固定長レコードにする。
- 第2正規化:レコードの主キーに完全従属する属性と、主キーの一部分にのみ部分従属する属性を別のレコードとして分離させる。
- 第3正規化:主キー以外の属性に従属する属性を別レコードに分割する。
関数従属とは,表内のある項目の値が決定すると別の項目の値もただ一つに決まる関係のことである。問題文の〔正規化する関係〕の図から,「属性X の値が決まると,属性Y,Z,……の値が一意に決まる」という関係(従属関係)を洗い出します。
(1)a が決まると,b,c,d が決まる。
(2)b が決まると,c が決まる。
(3)b とd が決まると,e が決まる。
(1)~(3)から,適切な関係を考える。
- (1)について:a は,a ~ d の情報を格納する表(表1 とする)の主キーとなる。c は,(2)の関係から,表1 とは別の表に格納しなければならない。
- (2)について:第3 正規形では「非キー属性は全て互いに関数従属しない」状態にするため,表1 にa ~ d を全て格納すると,表1 の中の非キー属性bとc の間に関数従属の関係ができてしまい,第3 正規形の条件を満たすことができない。よって,b とc は,表1 とは別に用意した表(表2 とする)に格納する。表1 には,a,b,d の情報を格納する。
- (3) について:b とd は,b,d,e の情報を格納する表(表3 とする)の主キー となる。
以上より,問題に示された関係は次の3 つの表に分割できます。
表1(a,b,d)
表2(b,c)
表3(b,d,e)
この構造を正しく表すのはエ
となる。
問題28
トランザクションA(処理A1→処理A2の順に実行する)とトランザクションB(処理B1→処理B2の順に実行する)が、データベースの資源SとTに対し、次のように 処理A1→処理B1→処理A2→処理B2の順で専有ロックを要求する場合、デッドロックが発生する資源の組合せはどれか。 なお、ロックは処理開始時にかけ、トランザクション終了時に解除する。
解答:イ
<解説>
解説省略
問題29
次の表定義において、“在庫”表の製品番号に定義された参照制約によって拒否される可能性のある操作はどれか。ここで、実線は主キーを、破線は外部キーを表す。
在庫(在庫管理番号, 製品番号, 在庫量)
製品(製品番号, 製品名, 型, 単価)
ア | “在庫”表の行削除 |
イ | “在庫”表の表削除 |
ウ | “在庫”表への行追加 |
エ | “製品”表への行追加 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | 在庫表を削除しても製品表との間に不整合は発生しない。 |
イ | × | 在庫表そのものを削除しても製品表との間に不整合は発生しない。 |
ウ | ○ | 製品が登録されていないと在庫は追加できない。したがって参照制約によって拒否される可能性のある操作である。 |
エ | × | 製品を追加しても在庫表との間に不整合は発生しない。 |
問題30
媒体障害の回復において、最新のデータベースのバックアップをリストアした後に、トランザクションログを用いて行う操作はどれか。
ア | バックアップ取得後でコミット前に中断した全てのトランザクションをロールバックする。 |
イ | バックアップ取得後でコミット前に中断した全てのトランザクションをロールフォワードする。 |
ウ | バックアップ取得後にコミットした全てのトランザクションをロールバックする。 |
エ | バックアップ取得後にコミットした全てのトランザクションをロールフォワードする。 |
解答:エ
<解説>
データベースを更新するトランザクションは,障害回復時に,「全く実行されていない状態」あるいは「完全に実行された状態」のいずれかになるように処理される。これをトランザクションの原子性(Atomicity)という。
「全く実行されていない」状態に戻すことをロールバックといい,当該トランザクションが行っていた更新により変更されていたデータを全て更新前の状態に戻す。「完全に実行された状態」にすることをロールフォワードといい,当該トランザクションが行っていた更新によって変更されていたデータを,全て更新後の状態に復元する。
ア | × | トランザクション障害の回復方法である。 |
イ | × | 中断したトランザクションはロールフォワードできない。 |
ウ | × | 媒体障害時のロールバックは不可能である。 |
エ | ○ | 正しい。 |
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