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平成22年度秋季解答
問題16
バックアップシステム構成におけるホットサイトに関する記述として、適切なものはどれか。
ア | 共同利用型のサイトを用意しておき、障害発生時に、バックアップしておいたデータやプログラムの媒体を搬入してシステムを復元し、業務を再開する。 |
イ | 待機系サイトとして稼働させておき、ネットワークを介して常時データやプログラムの更新を行い、障害発生時に速やかに業務を再開する。 |
ウ | 予備のサイトにハードウェアを用意して、定期的にバックアップしたデータやプログラムの媒体を搬入して保管しておき、障害発生時にはこれら保管物を活用してシステムを復元し、業務を再開する。 |
エ | 予備のサイトをあらかじめ確保しておいて、障害発生時には必要なハードウェア、バックアップしておいたデータやプログラムの媒体を搬入し、業務を再開する。 |
解答:イ
<解説>
「ホットサイト」、「ウォームサイト」、「コールドサイト」は、いずれも予備の情報処理施設(DRサイト)としての形態のことである。
- ホットサイト
- 運用系と同じ構成で離れた場所にバックアップ用の待機系サイトを稼動させ,ネットワークを介して常時更新を行うことで,災害発生時などに業務を中断せずに続行する方式である。
最も速やかに、DRサイトへの切り替えができる。 - ウォームサイト
- あらかじめ予備のサイトにハードウェアを用意し,定期的にデータやプログラムを搬入して,障害発生時にこれらを用いて復元し,業務を再開する方式である。
ホットサイトの次に速やかにDRサイトへの切り替えができる。 - コールドサイト
- 再開を容易にするためのネットワーク接続などを備えた場所のみを用意しておき,災害発生時点でハードウェア,データ,プログラムを持ち込んで,バックアップ用システムを立ち上げる方式である。
DRサイトの中で、最も切り替えに時間を要する。
ア | × | ウォームサイトに関する説明である。 |
イ | ○ | ホットサイトに関する説明である。 |
ウ | × | ウォームサイトに関する説明である。 |
エ | × | ウォームサイトに関する説明である。 |
問題17
システムが時間とともに図のように故障と回復を繰り返した。このとき、RASISの信頼性(Reliability)と可用性(Availability)を表す指標の組合せとして、適切なものはどれか。ここで、とする。
解答:イ
<解説>
RASISとは、コンピュータシステムが期待された機能・性能を安定して発揮できるか否かを検証するための評価項目として知られる5つの要素。
- Reliability(信頼性)
- 故障や障害、不具合の発生しにくさを表す。稼働時間当たりの障害発生回数(MTBF:Mean Time Between Failures)などの指標で表すことが多い。
- Availability(可用性)
- 稼働率の高さ、障害や保守による停止時間の短さを表す。全時間に対する稼働時間の割合(稼働率)などの指標で表す場合が多い。
- Serviceability(保守性)
- 障害復旧やメンテナンスのしやすさを表す。障害発生から復旧までの平均時間(MTTR:Mean Time To Repair)などの指標で表すことが多い。
- Integrity(保全性・完全性)
- 過負荷時や障害時のデータの破壊や不整合のおきにくさを意味する。
- Security(機密性)
- 外部からの侵入・改ざんや機密漏洩の起きにくさを表す。
- Tは故障が回復してから次に故障が起こるまでの正常に動作している時間の平均値で,MTBF(平均故障間隔)を表す。MTBFは、信頼性の指標である。したがってTは信頼性の指標を表す。
- Sは故障してから回復するまでの修理している時間の平均値で,MTTR(平均修理時間)を表す。
- 稼働率は、MTBF/(MTBF+MTTR)で求めることができる。稼働率は可用性の指標である。T/(T+S)は可用性の指標を表す。
問題18
スループットに関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | ジョブとジョブの実行の間にオペレータが介入することによってシステムに遊休時間が生じても、スループットには影響を及ぼさない。 |
イ | スループットは CPU 性能の指標であり、入出力の速度、オーバヘッド時間などによって影響を受けない。 |
ウ | 多重プログラミングはターンアラウンドタイムの短縮に貢献するが、スループットの向上にはあまり役立たない。 |
エ | プリンタへの出力を一時的に磁気ディスク装置へ保存するスプーリングは、スループットの向上に役立つ。 |
解答:エ
<解説>
スループットとは、単位時間あたりの処理能力のことである。コンピュータが単位時間内に処理できる命令の数や、通信回線の単位時間あたりの実効転送量などを意味する。
ア | × | ジョブとジョブの実行の間にオペレータが介入することによってシステムに遊休時間が生じると、スループットは低下する。 |
イ | × | スループットは CPU 性能の指標指標ではない。 |
ウ | × | :多重プログラミングによってスループットは向上する。 |
エ | ○ | スプーリングはスループットを向上させる代表的な技術である。 |
問題19
四つの装置 A ~ D で構成されるシステム全体の稼働率として、最も近いものはどれか。ここで、個々の稼働率は、A と C が 0.9、B と D が 0.8 とする。また、並列接続部分については、いずれか一方が稼働しているとき、当該並列部分は稼働しているものとする。
ア | 0.72 |
イ | 0.92 |
ウ | 0.93 |
エ | 0.95 |
解答:エ
<解説>
問題20
2台のCPUからなるシステムがあり、使用中でないCPUは実行要求のあったタスクに割り当てられるようになっている。このシステムで、二つのタスクA、 Bを実行する際、それらのタスクは共通の資源Rを排他的に使用する。それぞれのタスクA、BのCPU使用時間、資源Rの使用時間と実行順序は図に示すとおりである。二つのタスクの実行を同時に開始した場合、二つのタスクの処理が完了するまでの時間は何ミリ秒か。ここで、タスクA、Bを開始した時点では、 CPU、資源Rともに空いているものとする。
ア | 120 |
イ | 140 |
ウ | 150 |
エ | 200 |
解答:イ
<解説>
以下の図より、140ミリ秒かかることが分かる。
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