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平成29年度秋季解答
問題11
容量がa Mバイトでアクセス時間がx ナノ秒のキャッシュメモリと、容量がb Mバイトでアクセス容量がy ナノ秒の主記憶を持つシステムにおいて、CPUからみた、主記憶とキャッシュメモリとを合わせた平均アクセス時間を表す式はどれか。ここで、読み込みたいデータがキャッシュメモリに存在しない確率をr とし、キャッシュメモリ管理に関するオーバヘッドは無視できるものとする。
解答:イ
<解説>
メモリの平均アクセス時間は、次のようになる。
- キャッシュメモリにデータが存在する場合の平均アクセス時間を計算する
(1-r)・x : データがキャッシュメモリに存在する確率×キャッシュメモリのアクセス時間 - キャッシュメモリにデータが存在しない場合の平均アクセス時間を計算する
r・y : データがキャッシュメモリに存在しない確率×主記憶のアクセス時間 - キャッシュメモリにデータが存在する場合とキャッシュメモリにデータが存在しない場合を加算し平均アクセス時間を計算する
したがって、イが正解である。
問題12
1台のコンピュータで複数の仮想マシン環境を実現するための制御機能はどれか。
ア | シストリックアレイ |
イ | デスクトップグリッド |
ウ | ハイパバイザ |
エ | モノシリックカーネル |
解答:ウ
<解説>
ア | × | シストリックアレイは、同一の動きをする多数の Processing Element (以下、PE) を同期動作させ、パイプライン処理と並列処理を組み合わせた構造をもつ大規模並列処理用のコンピュータアーキテクチャである。 |
イ | × | デスクトップグリッドは、複数のコンピュータに処理を分散させて高速実行することである。 |
ウ | 〇 | ハイパバイザは、バーチャルマシンを実行するための仮想化技術のこと。OSより上位の制御プログラムとなり、ハイパーバイザ上に論理的に構成されたバーチャルマシン毎に複数のゲストOSを動作させることができる。 |
エ | × | モノシリックカーネルは、OSの中枢プログラム(カーネル)を一つのメモリ空間に格納して実行する方式である。 |
問題13
MTBFを長くするよりも、MTTRを短くするのに役立つのものはどれか。
ア | エラーログ取得機能 |
イ | 記憶装置のビット誤り訂正機能 |
ウ | 命令再試行機能 |
エ | 予防保守 |
解答:ア
<解説>
MTBF (平均故障間隔) は技術製品の修理可能な故障間の平均時間であり、 MTTR (平均修復時間) は、(通常は技術的または機械的) システムの修復にかかる平均時間である。
ア | 〇 | エラーログ取得機能 により出力するエラーログには、どのプログラムまたはどの部分に問題があったかなどの情報が記録されている。これを取得することで修理を迅速に行えるのでMTTFを短くすることができる。 |
イ | × | 記憶装置のビット誤り訂正機能によりデータのビット誤りが自動的に修復されシステムが停止しなくなります。 したがって、MTBFが長くなります。 |
ウ | × | 命令再試行機能によりエラーが発生しても命令が再度実行され、システムが停止しなくなります。 したがって、MTBFが長くなります。 |
エ | × | 予防保守によって定期的にメンテナンスをするとシステムが故障するまでの時間が長くなる。 |
問題14
次のシステムにおいて、ピーク時間帯のCPU使用率は何%か。 ここで、トランザクションはレコードアクセス処理と計算処理から成り、レコードアクセスはCPU処理だけでI/Oは発生せず、OSのオーバヘッドは考慮しないものとする。 また、1日のうち発生するトランザクション数が最大になる1時間をピーク時間帯と定義する。
[システムの概要] (1) CPU数:1個 (2) 1日に発生する平均トランザクション数:54,000件 (3) 1日のピーク時間帯におけるトランザクション数の割合:20% (4) 1トランザクション当たりの平均レコードアクセス数:100レコード (5) 1レコードアクセスに必要な平均CPU時間:1ミリ秒 (6) 1トランザクション当たりの計算処理に必要な平均CPU時間:100ミリ秒
ア | 20 |
イ | 30 |
ウ | 50 |
エ | 60 |
解答:エ
<解説>
- 計算処理に必要なCPU時間を計算する。
ピーク時間帯のトランザクション数は54,000(件)×0.2=10,800(件)
100(ミリ秒)×10,800(件)=1,080,000(ミリ秒)=1,080(秒) - レコードアクセスに必要なCPU時間を計算する
1,080,000(レコード)×1(ミリ秒)=1,080,000(ミリ秒)=1,080(秒) - 1,2よりピーク時間帯に用いるCPU時間を計算する
1,080(秒)+1,080(秒)=2,160(秒) - CPUの利用率を計算する
ピーク時間帯は1時間と定義されているため
2,160(秒)÷3,600(秒)=0.6=60%
問題15
ジョブの多重度が1で、到着順にジョブが実行されるシステムにおいて、表に示す状態のジョブA~Cを処理するとき、ジョブCが到着してから実行が終了するまでのターンアラウンドタイムは何秒か。 ここで、OSのオーバヘッドは考慮しないものとする。
ア | 11 |
イ | 12 |
ウ | 13 |
エ | 14 |
解答:ア
<解説>
ターンアラウンドタイムは,ジョブの入力を開始してからCPUで処理された結果がすべて出力されるまでの時間である。
下図より、ジョブCが到着してから実行が終了するまでのターンアラウンドタイムは(ア)11秒である。
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