- トップページ
- 応用情報技術者
- 平成21年度春季問題
- 平成21年度春季解答・解説
平成21年度春季解答
問題36
IPネットワークにおいて、二つのLANセグメントを、ルータ経由して接続する。ルータの各ポート及び各端末のIPアドレスを図のとおりに設定し、サブネットマスクを全ネットワーク共有で255.255.255128とする。
ルータの各ポートのアドレス設定は正しいとした場合、IPアドレスの設定を正しく行っている端末の組合せはどれか。
ア | AとB |
イ | AとD |
ウ | BとC |
エ | CとD |
解答:イ
<解説>
- サブネットマスクとは、IPアドレスのうちネットワークアドレスとホストアドレスに分割して管理するための数値である。
255.255.255128のビットが1の部分がネットワークアドレス,ビットが0の部分がホストアドレスである。
- サブネットXのホストがとり得るIPアドレスの範囲は、ホスト部は7ビットの範囲なので"172.16.0.0"~"172.16.0.127"である。
ただし最小値と最大値は特殊な用途で使用できないので"172.16.0.1"~"172.16.0.126"となる。
⇒Aが正しい。 - サブネットYのホストがとり得るIPアドレスの範囲は、ホスト部は7ビットの範囲なので"172.16.1.0"~"172.16.1.127"である。
ただし最小値と最大値は特殊な用途で使用できないので"172.16.1.1"~"172.16.1.126"となる。
⇒Dが正しい。
したがって、イが正解である。
問題37
TCP/IPネットワーク上で、メールサーバから電子メールを取り出すプロトコルはどれか。
ア | POP3 |
イ | PPP |
ウ | SMTP |
エ | UDP |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | POP3(Post Office Protocol version 3)は、インターネットやイントラネット上で、電子メールを保存しているサーバからメールを受信するためのプロトコルである。 |
イ | × | PPP(Point-to-Point Protocol)は、インターネットへの接続に電話回線とモデムを使用するためのプロトコルである。 |
ウ | × | SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は、インターネット、イントラネット上で、電子メールを転送するための通信プロトコルである。 |
エ | × | UDP(User Datagram Protocol)は、IP上で利用されるコネクションレス通信プロトコルである。ストリーミング配信などに使われる。 |
問題38
SSLによるクライアントとWebサーバ間の通信手順(1)~(5)において、a、bに入る適切な語句の組合せはどれか。ここで、記述した手順は、一部簡略化している。
(1) | クライアントからのSSLによる接続要求に対し、Webサーバはサーバ証明書をクライアントに送付する。 | |
(2) | クライアントは保持している[ a ]によってこのサーバ証明書の正当性を確認する。 | |
(3) | クライアントは、共通鍵生成用のデータを作成し、サーバ証明書に添付された[ b ]によってこの共通鍵生成用データを暗号化し、Webサーバに送付する。 | |
(4) | 受け取ったWebサーバは、自らの秘密鍵によって暗号化された共通鍵生成用データを復号する。 | |
(5) | クライアントとWebサーバの両者は、同一の共通鍵生成用データによって共通鍵を作成し、これ以降の両者間の通信は、この共通鍵による暗号化通信を行う。 |
解答:ウ
<解説>
[ a ]、[ b ]に適切な語句を設定すると、次のような手順になる。
(1) | クライアントからのSSLによる接続要求に対し、Webサーバはサーバ証明書をクライアントに送付する。 | |
(2) | クライアントは保持している[a:認証局の公開鍵]によってこのサーバ証明書の正当性を確認する。 | |
(3) | クライアントは、共通鍵生成用のデータを作成し、サーバ証明書に添付された[b:Webサーバの公開鍵]によってこの共通鍵生成用データを暗号化し、Webサーバに送付する。 | |
(4) | 受け取ったWebサーバは、自らの秘密鍵によって暗号化された共通鍵生成用データを復号する。 | |
(5) | クライアントとWebサーバの両者は、同一の共通鍵生成用データによって共通鍵を作成し、これ以降の両者間の通信は、この共通鍵による暗号化通信を行う。 |
問題39
公開鍵暗号方式によって、n人が相互に暗号を使って通信する場合、異なる鍵は全体で幾つ必要になるか。ここで、公開鍵、秘密鍵をそれぞれ一つと数える。
解答:イ
<解説>
共通鍵暗号化方式と公開鍵暗号化方式の鍵の数は次の式で求めることができる。
- 共通鍵暗号化方式の鍵の数
- 異なる相手との通信ごとに個別に共通鍵が必要になる。
⇒ - 公開鍵暗号化方式の鍵の数
- 各ユーザがそれぞれ自分の公開鍵と暗号鍵のペアをもつ。
⇒
したがって、イが正解である。
問題40
ISMS適合性評価制度における情報セキュリティ基本方針に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | 重要な基本方針を定めた機密文章であり、社内の関係者以外の目に触れないようにする。 |
イ | 情報セキュリティのための経営陣の方向性及び支持を規程する。 |
ウ | セキュリティの基本方針を述べたものであり、ビジネス環境や技術が変化しても変更してはならない。 |
エ | 特定のシステムについてリスク分析を行い、そのセキュリティ対策とシステム運用の詳細を記述したものである。 |
解答:イ
<解説>
情報セキュリティポリシは、基本方針,対策基準,実施手順の3つの階層で構成される。
- 基本方針
- 組織の経営者が、「情報セキュリティに本格的に取り組む」という姿勢を示し、情報セキュリティの目標と、その目標を達成するために企業がとるべき行動を社内外に宣言するものである。「なぜセキュリティが必要か」という「Why」について規定し、何をどこまで守るのか(対象範囲)、誰が責任者かを明確にする。また、業界標準、該当する法令、政府規制への準拠を宣言する場合がある。
- 対策基準
- 基本方針で作成した目的を受けて、「何を実施しなければならないか」という「What」について記述する。組織的に情報セキュリティ対策を行うための ルール集で、人事規程や就業規程などの類の企業の構成員が守るべき「規程類」に相当する。実際に守るべき規程を具体的に記述し、適用範囲や対象者を明確 にする。
- 実施手順
- 対策基準で定めた規程を実施する際に、「どのように実施するか」という「How」について記述する。マニュアル的な位置づけの文書であり、詳細な手順を記述する。
ア | × | 情報セキュリティ基本方針は、機密文章ではない。また全社員に周知するべきものである。 |
イ | ○ | 情報セキュリティ基本方針は、経営陣の方針として全社員に周知するべきものである。 |
ウ | × | 情報セキュリティ基本方針は、ビジネス環境や技術の変化に応じて変更しなければならない。 |
エ | × | 情報セキュリティ基本方針は、組織の業務全般に対する規範であり、特定のシステムを対象としたものではない。 |
お問い合わせ