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平成26年度秋季解答
問題6
データ列が整列の過程で図のように上から下に推移する整列方法はどれか。 ここで、図中のデータ列中の縦の区切り線は、その左右でデータ列が分割されていることを示す。
ア | クイックソート |
イ | シェルソート |
ウ | ヒープソート |
エ | マージソート |
解答:エ
<解説>
問題文では、次のような整列を行っている。
このような整列方法をマージソートという。マージソートとは、データ列を次々と2つに分割し、それらを再びマージする(併合する)時に大きさの順にデータを取り出して並べるソート方法である。
問題7
パイプライン方式のプロセッサにおいて、パイプラインが分岐先の命令を取得するときに起こるハザードはどれか。
ア | 構造ハザード |
イ | 資源ハザード |
ウ | 制御ハザード |
エ | データハザード |
解答:ウ
<解説>
パイプライン方式は、1つの命令の実行サイクルを複数のステージに分割し、各段階の処理を別々の装置が担当することによって、各命令のステージを重ねて並列実行することにより、1命令あたりの実行効率を上げる方式である。
パイプアイン方式において、何らかの原因により並列実行が不可能になることをパイプラインハザードという。
ア | × | 構造ハザードは、並列実行中の複数の命令が同じハードウェアが同時に使用するときに、一方の命令が待ち状態になることで発生する |
イ | × | 資源ハザードは存在しない。資源の競合によるハザードは構図ハザードと呼ぶ |
ウ | 〇 | 制御ハザードとは分岐命令により次に実行する分岐先の命令が特定できないことが原因で発生する |
エ | × | データハザードは、並列実行中の複数の命令が同じデータを同時に使用するときに、一方の命令が待ち状態になることで発生する |
問題8
現在の商用並列コンピュータの多くが採用しているマルチプロセッサの処理方式の一つで、プロセッサごとに異なる命令を並列に実行させるものはどれか。
ア | CISC |
イ | MIMD |
ウ | RISC |
エ | SIMD |
解答:イ
<解説>
ア | CISC(Complex Instruction Set Computer)とは、多様で複雑な機能をもった高度な命令をもち、一つの命令でより高度な処理を行いCPUの命令当たりの処理能力を向上させることで全体の処理能力を高めるようにしたものである。 |
イ | MIMD(Multiple Instruction stream Multiple Data stream)は、複数の命令(Multiple Instruction)で複数のデータ(Multiple Data)を処理する方式である。 |
ウ | RISC(Reduce Instruction Set Computer)とは、命令を使用頻度の高い基本的なものに限定して命令長を固定化し、各命令の実行を最適化したものである。 |
エ | SIMD(Single Instruction Multiple Data)とは、一つの命令(Single Instruction)で複数のデータ(Multiple Data)を処理する方式である。 |
問題9
キャッシュの書込み方式には、ライトスルー方式とライトバック方式がある。 ライトバック方式を使用する目的として、適切なものはどれか。
キャッシュの書込み方式には、ライトスルー方式とライトバック方式がある。ライトバック方式を使用する目的として、適切なものはどれかア | キャッシュと主記憶の一貫性(コヒーレンシ)を保ちながら、書込みを行う。 |
イ | キャッシュミスが発生したときに、キャッシュの内容の主記憶への書き戻しを不要にする。 |
ウ | 個々のプロセッサがそれぞれのキャッシュをもつマルチプロセッサシステムにおいて、キャッシュ管理を簡単な回路構成で、実現する。 |
エ | プロセッサから主記憶への書込み頻度を減らす。 |
解答:エ
<解説>
書込み命令が実行された時に、キャッシュメモリと主記憶の両方を書き換える方式のことを、ライトスルー方式(write through) ,キャッシュメモリだけを書き換えておき、主記憶の書き換えはブロックの入れ替え時に行う方式のことを、ライトバック(write back) 方式という。
- ライトスルー方式
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- キャッシュへの書込みと同時に主記憶にも書き込む方式
- キャッシュと主記憶の一貫性(コヒーレンシ)は常に保たれる
- 書き込みの高速化はできない
- ライトバック方式
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- キャッシュから追い出された時点で主記憶へ書き込む方式
- 主記憶への書込みが終了するまでキャッシュとの一貫性(コヒーレンシ)が保たれない
- 書込みも高速化できる
ア | × | ライトスルー方式の説明である。ライトバック方式では、キャッシュと主記憶の一貫性(コヒーレンシ)が保たれないことがある。 |
イ | × | ライトスルー方式の説明である。ライトバック方式では、キャッシュミスが発生したとき、キャッシュの内容を主記憶に書き戻す必要がある。 |
ウ | × | ライトスルー方式の説明である。ライトバック方式では、個々のプロセッサのもつキャッシュと主記憶の一貫性を調整するため回路構成は複雑になる。 |
エ | ○ | ライトバック方式の説明である。ライトバック方式では、プロセッサが主記憶に書き込みを行うのはキャッシュをフラッシュする場合だけなので、書込み頻度を減らすことができる。 |
問題10
ストレージ技術におけるシンプロビジョニングの説明として、適切なものはどれか。
ア | 同じデータを複数台のハードディスクに書き込み、冗長化する。 |
イ | 一つのハードディスクを、OSをインストールする領域とデータを保存する領域とに分割する。 |
ウ | ファイパチャネルなどを用いてストレージをネットワーク化する。 |
エ | 利用者の要求に対して仮想ボリュームを提供し、物理ディスクは実際の使用量に応じて割り当てる。 |
解答:エ
<解説>
シンプロビジョニング機能とは,ボリューム容量を仮想化し実在する物理容量を超える論理容量を設定して運用できるようにするもの。実際に消費している分だけ物理ディスクを用意すればよいため,ストレージ使用率が高まる。その分,導入コストを削減できる。サイジング(容量設計)やディスク増設にかかる運用管理コストも減らせる。
ア | × | ミラーリングの説明である。 |
イ | × | パーテーション分割の説明である。 |
ウ | × | SAN(Storage Area Network)の説明である。 |
エ | 〇 | シンプロビジョニングの説明である。 |
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