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平成26年度秋季解答
問題11
3層クライアントサーバシステムの説明のうち、適切なものはどれか。
ア | システムを機能的に、Webサーバ、ファイアウォール、クライアントの3階層に分けたシステムである。 |
イ | システムを機能的に、アプリケーション、通信、データベースの3階層に分けたシステムである。 |
ウ | システムを物理的に、メインフレーム、サーバ、クライアントの3階層に分けたシステムである。 |
エ | システムを論理的に、プレゼンテーション、ファンクション、データベースの3階層に分けたシステムである。 |
解答:エ
<解説>
3層クライアントサーバーシステムとは、システムをプレゼンテーション層,ファンクション層,データベースアクセス層の3つの階層にわけて構築したものである。
- プレゼンテーション層:ユーザーインターフェースの部分。画面表示や操作などのインタフェース
- ファンクション層:システムのロジック部分。データ加工などのアプリケーションの処理。
- データベースアクセス層:データベース部分。データベースへのアクセス。
したがって、エが正解である。
問題12
NASを利用することによって、達成できるものはどれか。
ア | サーバごとに専用の磁気ディスクを搭載して個別管理するよりも、ファイルサーバのようにシステム全体で磁気ディスク群を効率的に利用することができる。 |
イ | 磁気ディスクに障害が発生しても、自動的に予備の磁気ディスクを起動して、パリティ情報からデータを復元し、処理を継続することができる。 |
ウ | 磁気ディスクのファイル領域の断片化を解消し、ヘッドの移動量から増大から起こる読み書きの速度の低下や故障の誘発を防止することができる。 |
エ | データベースにアクセスするのに、SQLを使わず、表計算ソフトを操作する感覚でアクセスすることができる。 |
解答:ア
<解説>
NAS(Network Attached Storage:ネットワーク接続ストレージ)とは、ネットワークに直接接続して使用するファイルサーバ専用機。ハードディスクとネットワークインターフェース、OS、管理用ユーティリティなどを一体化した単機能サーバ(アプライアンスサーバ)で、記憶装置をネットワークに直に接続したように見えることからこのように呼ばれる。
NASを用いるとディスク装置をネットワーク内の全サーバやPC間で共有できるため、ディスク装置の空きが有効活用できる。
ア | 〇 | NAS(Network Attached Storage)の説明である。 |
イ | × | RAIDの説明である。 |
ウ | × | デフラグメンテーションの説明である。 |
エ | × | DBMSの説明である。 |
問題13
次の条件で運転するクライアントサーバシステムにおいて、ネットワークに必要な転送速度は、最低何ビット/秒か。
[条件] | |
(1) | トランザクション1件の平均的な処理は、CPU命令300万ステップとデータ入出力40回で構成され、ネットワークで転送されるデータは送受信それぞれ1,000バイトである。 |
(2) | サーバでのCPU命令1ステップの平均実行時間は300ナノ秒である。 |
(3) | データ入出力は1回平均20ミリ秒で処理されている。 |
(4) | 1バイトは8ビットとする。 |
(5) | クライアントにおけるデータの送信開始から受信完了までに許容される時間は2.5秒である。 |
(6) | サーバは1CPU、1コアで構成されている。 |
(7) | 待ち時間及び、その他のオーバヘッドは考慮しない。 |
ア | 10,000 |
イ | 16,000 |
ウ | 20,000 |
エ | 25,000 |
解答:ウ
<解説>
- CPUの計算処理にかかる時間を計算する
300ナノ秒×300万ステップ
=300×10-9×3×106
=900×10-3
=0.9秒 - データ入出力時間を計算する
20ミリ秒×40回
=800ミリ秒
=0.8秒 - (5)より、クライアントにおけるデータの送信開始から受信完了までに許容される時間は2.5秒なのでネットワークの伝送時間は
2.5-(0.9+0.8)=0.8秒 - (1)より、ットワークで転送されるデータは送受信それぞれ1,000バイトなので、
1,000×2
=2,000バイト
=16,000ビット - 必要とされる通信速度は
16,000÷0.8=20,000ビット/秒
問題14
2台のプリンタがあり、それぞれの稼働率が0.7と0.6である。この2台のプリンタのいずれか一方が稼動していて、他方が故障している確率は幾らか。ここで、2台のプリンタの稼動状態は独立であり、プリンタ以外の要因は考慮しないものとする。
ア | 0.18 |
イ | 0.28 |
ウ | 0.42 |
エ | 0.46 |
解答:エ
<解説>
- Aが稼働していて、Bが稼働していない確率を計算する。
0.7×(1-0.6)=0.7×0.4=0.28 - Bが稼働していて、Aが稼働していない確率を計算する。
(1-0.7)×0.6=0.3×0.6=0.18 - 1と2の加算値が2台のいずれか一方が稼動していて、他方が故障している確率である。
0.28+0.18=0.46
したがって、エが正解である。
問題15
プログラムの実行時に利用される記憶領域にスタック領域とヒープ領域がある。 それらの領域に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | サブルーチンからの戻り番地の退避にはスタック領域が、割当てと解放の順序に関連のないデータにはヒープ領域が使用される。 |
イ | スタック領域には未使用領域が存在するが、ヒープ領域には未使用領域は存在しない。 |
ウ | ヒープ領域はスタック領域の予備領域であり、スタック領域が一杯になった場合にヒープ領域が動的に使用される。 |
エ | ヒープ領域も構造的にはスタックと同じプッシュポップの操作によって、データの格納と取出しを行う。 |
解答:ア
<解説>
- スタック領域
- 自動変数、関数の引数や戻り値などを一時的に保存するための領域。
後入れ先出し(LIFO:Last-In First-Out、FILO:First-In Last-Out)の構造を採用している。 - ヒープ領域
- 使うときに確保し、使い終わったら解放するための領域。
C言語の静的変数や配列の割当てなど解放の解放の順序に関係のないデータが使用される。
ア | ○ | サブルーチンからの戻り番地の退避にはスタック領域が、割当てと解放の順序に関係のないデータにはヒープ領域が使用される。 |
イ | × | スタック領域,ヒープ領域も常にすべての領域を使用しているわけではない。したがって、未使用領域は存在する。 |
ウ | × | ヒープ領域とスタック領域は独立した領域である。したがって、領域を互いに融通しあうことはない。 |
エ | × | ヒープ領域には、プッシュ操作やポップ操作は用いない。ヒープ領域の格納と取出しは変数名を通じていつでも直接的に行なうことができる。 |
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