- トップページ
- 応用情報技術者
- 平成26年度秋季問題
- 平成26年度秋季解答・解説
平成26年度秋季解答
問題61
IT投資の評価手法のうち、バランススコアカードを用いた手法を説明したものはどれか。
ア | IT投資の効果を正味現在価値などのキャッシュフローを用いて評価することによって、他の投資案件との整合性を確保する。 |
イ | IT投資をその性質やリスクの共通性によってカテゴリに分類し、カテゴリ単位での投資割合を評価することによって、経営戦略とIT投資の整合性を確保する。 |
ウ | 財務、顧客、内部業務プロセスなど複数の視点ごとに業績評価の指標を設定し、経営戦略との適合性を評価することによって、IT投資の効果を多面的に把握する。 |
エ | 初期投資の価値に加えて、後続のプロジェクトにおいて選択可能な収益やリスクの期待値を、金融市場で使われるオプション価格付け理論に基づいて評価する。 |
解答:ウ
<解説>
バランススコアカードとは、経営管理手法の一つで、企業の経営戦略から各部署や従業員の具体的な行動を決める方法のことである。企業のビジョンと戦略を4つの視点で分類し各視点ごとに目標,評価指標,具体的方法を設定する。
バランスト・スコアカードにおける4つの視点は次のものである。
- 財務の視点
- 株主や従業員などの利害関係者の期待にこたえるため、企業業績として財務的に成功するためにどのように行動すべきかの指標を設定する。
- 顧客の視点
- 企業のビジョンを達成するために、顧客に対してどのように行動すべきかの指標を設定する。
- 内部ビジネスプロセスの視点
- 財務的目標の達成や顧客満足度を向上させるために、優れた業務プロセスを構築するための指標を設定する。
- 学習と成長の視点
- 企業のビジョンを達成するために組織や個人として、どのように変化(改善)し能力向上を図るかの指標を設定する。
- 機能要件
- 機能に関する要件。
業務プロセス,システムの情報(データの流れ),業務の範囲,他システムとのインタフェースなどが定義される。 - 非機能要件
- 機能を実現する上での条件や制限に関する要件。
品質,管理性,運用性,保守性,可用性と信頼性,キャパシティ(容量),パフォーマンス(性能),セキュリティ(機密性,安全性),継続性,財務などが定義される。
ア | × | 会計指標法の説明である。 |
イ | × | ITポートフォリオ分析の説明である。 |
ウ | ○ | バランススコアカードの説明である。 |
エ | × | リアルオプションの説明である。 |
問題62
情報戦略の立案時に、必ず整合性をとるべき対象はどれか。
ア | 新しく登場した情報技術 |
イ | 基幹システムの改修計画 |
ウ | 情報システム部門の年度計画 |
エ | 中長期の経営計画 |
解答:エ
<解説>
情報戦略とは、企業戦略を達成するために、どのような情報化を図ればよいかを明確にした基本計画のことである。
ア | × | 最新の情報技術に追随する必要はない。 |
イ | × | 情報戦略の策定後に立案する。 |
ウ | × | 情報戦略の策定後に立案する。 |
エ | ○ | 中長期の経営計画との整合性を保つことが重要となる。 |
問題63
SOAを説明したものはどれか。
ア | 企業改革において既存の組織やビジネスルールを見直し、業務フロー、管理機構、情報システムを再構築する手法のこと |
イ | 企業の経営資源を有効に活用して経営の効率を向上させるために、基幹業務を部門ごとでなく統合的に管理するための業務システムのこと |
ウ | 発注者とITアウトソーシング提供者との間で、サービス品質について合意した文書のこと |
エ | ビジネスプロセスの構成要素とそれを支援するIT基盤を、ソフトウェア部品であるサービスとして提供するシステムアーキテクチャのこと |
解答:エ
<解説>
SOA (Service-Oriented Architecture:サービス指向アーキテクチャ)とは、ビジネスプロセスの構成単位に合わせて構築・整理されたソフトウェア部品や機能を、ネットワーク上に公開し、これらを相互に連携させることにより、柔軟なエンタープライズ・システム、企業間ビジネスプロセス実行システムを構築しようというシステムアーキテクチャのこと。
ア | × | BPR(Business Process Reengineering)を説明したものである。 |
イ | × | ERP(EnterPrise Resource Planning:企業資源計画)を説明したものである。 |
ウ | × | SLA(Service Level Agreement:サービス合意文章)を説明したものである。 |
エ | ○ | SOA (Service-Oriented Architecture:サービス指向アーキテクチャ)を説明したものである。 |
問題64
受注管理システムにおける要件のうち、非機能要件に該当するものはどれか。
ア | 顧客から注文を受け付けるとき、与信残金額を計算し、結果がマイナスになった場合は、入力画面に警告メッセージを表示すること |
イ | 受注管理システムの稼働率を決められた水準に維持するために、障害発生時は半日以内に回復できること |
ウ | 受注を処理するとき、在庫切れの商品であることが分かるように担当者に警告メッセージを出力すること |
エ | 出荷できる商品は、顧客から受注した情報を受注担当者がシステムに入力し、営業管理者が受注承認入力を行ったものに限ること |
解答:イ
<解説>
要求仕様において、要件は機能要件と非機能要件に分類される。
ア | × | 与信チェック機能に関する記述である。機能要件に分類される。 |
イ | ○ | 可用性と信頼性についての記述なので非機能要件に分類される。 |
ウ | × | 在庫引当機能に関する記述である。機能要件に分類される。 |
エ | × | 出荷機能に関する記述である。機能要件に分類される。 |
問題65
総合評価落札方式による調達を説明したものはどれか。
ア | 価格、提案内容などが点数化され、最高得点の提案が選ばれる。 |
イ | 過去の採用実績が総合的に評価され、入札を経ずに業者が選ばれる。 |
ウ | 所定の契約限度額の枠内で最も優れた提案が、入札を経ずに選ばれる。 |
エ | 予定価格の制限の範囲内で最低価格の提案が選ばれる。 |
解答:ア
<解説>
「総合評価落札方式」は、従来の価格のみによる自動落札方式とは異なり、「価格」と「価格以外の要素」(例えば、初期性能の維持、施工時の安全性や環境への影響)を総合的に評価する落札方式であり、具体的には入札者が示す価格と技術提案の内容を総合的に評価し、落札者を決定する落札方式である。
ア | 総合評価落札方式の説明である。 |
イ | 随意契約である。 |
ウ | 規格競争(プロポーザル方式)の説明である。 |
エ | 最低落札価格方式の説明である。 |
お問い合わせ