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平成21年度秋季解答
問題16
オンラインシステムの端末数と平均応答時間の関係を表したグラフとして、適切なものはどれか。ここで一定時間内に1台の端末から到着する平均トランザクション数は一定とする。また、それぞれのグラフの特徴が分かりやすいように補助線(点線)を加えてある。
解答:エ
<解説>
オンラインシステムの端末数と平均応答時間の関係を表したグラフとして、適切なものはどれか。ここで一定時間内に1台の端末から到着する平均トランザクション数は一定とする。また、それぞれのグラフの特徴が分かりやすいように補助線(点線)を加えてある。
解答:エ
<解説>
一定時間内に1台の端末から到着する平均トランザクション数は一定としているので,M/M/1の待ち行列モデルに従うと考えることができる。
平均応答時間をTn,平均サービス時間をTs,利用率をρとすると,平均応答時間は以下の式で表せる。
式より平均応答時間は1-ρに反比例するのでρが大きくなるほど平均応答時間は急激に上昇する。
よってエが正解である。
【 別解 】
M/M/1待ち行列モデルなどでは、端末数が少ないうちは待ち時間は、一定に近く(平均応答時間は穏やかに推移)、システムの利用率が増大すると待ち時間は急激に伸びる。(平均応答時間は急激に伸びる)
よってエが正解である。
問題17
2台のプリンタがあり、それぞれの稼働率が0.7と0.6である。この2台のいずれか一方が稼動していて、他方が故障している確率は幾らか。ここで2台のプリンタの稼動状態は独立であり、プリンタ以外の要因は考慮しないものとする。
ア | 0.18 |
イ | 0.28 |
ウ | 0.42 |
エ | 0.46 |
解答:エ
<解説>
- Aが稼働していて、Bが稼働していない確率を計算する。
0.7×(1-0.6)=0.7×0.4=0.28 - Bが稼働していて、Aが稼働していない確率を計算する。
(1-0.7)×0.6=0.3×0.6=0.18 - 1と2の加算値が2台のいずれか一方が稼動していて、他方が故障している確率である。
0.28+0.18=0.46
したがって、エが正解である。
問題18
制御系の組込みシステムで使用されるリアルタイムOSの特徴として、適切なものはどれか。
ア | MMUによって仮想記憶制御を行い、データの仮想化を行わなければならない。 |
イ | タスク生成は主に静的に行う。 |
ウ | ファイルマネージャ及びメモリプロテクション機能は必須である。 |
エ | ラウンドロビン方式のスケジューリングを用いてシステム全体のスループットの向上を図る。 |
解答:イ
<解説>
リアルタイムOSは、処理をリアルタイムに実行することを重視し、そのための機能を実装したOSのことである。
リアルタイムOSでは、マルチタスク,即応性やリアルタイム性が要求される。
ア | × | MMU(Memory Management Unit)は仮想記憶制御を行うためのものである。即応性の要求されるリアルタイムOSでは,通常仮想記憶は利用しない。 |
イ | ○ | 動的なタスクとは、OSの起動後に各種処理に必要なタスクをOSがその都度判断しながら生成する方法である。 静的なタスクとは、システムが必要とするタスクを事前に設計しタスク生成手順やメモリ割り当てをあらかじめ決めておく方法である。 リアルタイムOSでは、起動時間の短縮やメモリを有効活用するために静的なタスク生成を行うことが多い。 |
ウ | × | リアルタイムOSではファイルを利用しない場合も多いので、ファイルマネージャ(ディスク内のファイルを管理するツール)は必須ではない。 |
エ | × | リアルタイムOSでは遅延が許されないのでラウンドロビン方式(複数のタスクを切り替えながら少しずつ同時に実行する方式)は用いられない。リアルタイムOSのスケジューリングは,優先度の高いタスクにCPUを割当てるプリエンティブ方式が主に使用される。 |
問題19
リアルタイムOSのマルチタスク管理機能において、タスクAが実行状態から実行可能状態へ遷移するのはどの場合か。
ア | タスクAが入出力要求のシステムコールを発行した。 |
イ | タスクAが優先度の低いタスクBに対して、メッセージ送信を行った。 |
ウ | タスクAより優先度の高いタスクBが実行状態となった。 |
エ | タスクAより優先度の高いタスクBが待ち状態となった。 |
解答:ウ
<解説>
マルチタスク管理機能においてタスク状態には、「待ち状態(Wait)」,「実行可能状態(Ready)」,「実行状態(Run)」がある。
- 待ち状態
- 先行タスクの入出力動作の完了を待っている状態
- 実行可能状態
- 実行準備が整っているものの,ほかの優先度の高いタスクが実行状態にあるため実行されていない状態
- 実行状態
- CPUの使用権が割り当てられ実行されている状態
ア | × | タスクAが実行状態から待ち状態へと遷移する。 |
イ | × | タスクAの方が優先度が高いので実行状態のままである。 |
ウ | ○ | タスクAが実行状態から実行可能状態へと遷移する。 |
エ | × | タスクAより優先度が高いタスクあ待ち状態になればCPUはタスクAに渡される。タスクAは実行状態になる。 |
問題20
UNIXではファイルを、通常ファイル、ディレクトリファイル及び特殊ファイルの3種類に分類している。ディレクトリファイルの説明として、適切なものはどれか。
ア | 磁気ディスクなどの入出力装置にアクセスするためのファイル |
イ | テキスト、オブジェクトコード、画像データなどを格納するためのファイル |
ウ | ファイル名とファイルの実体を対応付けるためのファイル |
エ | 複数のパスから一つのファイルを参照できるようにするためのファイル |
解答:ウ
<解説>
- 通常ファイル
- テキスト,オブジェクトコード,画像データ,プログラムのファイルなど一般的なデータを記録するファイル
- ディレクトリファイル
- ファイル名と実体ファイルが存在する領域を関連付ける情報を格納しているファイル
- 特殊ファイル
- 磁気ディスク,プリンタなどの周辺装置をファイルとして扱いアクセスするためのファイル
ア | × | 特殊ファイルに関する説明である。 |
イ | × | 通常ファイルに関する説明である。 |
ウ | ○ | ディレクトリファイルに関する説明である。 |
エ | × | ハードリンクに関する説明である。 |
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