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平成21年度秋季解答
問題41
JIS Q 2001:2001に規定されたリスク算出の定量的評価を、組織のセキュリティ対策の優先度を検討するリスク分析に適用したものはどれか。
ア | 過去に発生した被害件数と対策の難易度で評価する。 |
イ | 攻撃に対する対処時間と被害の顕在性で評価する。 |
ウ | 攻撃元の特定可否と攻撃手法の新しさで評価する。 |
エ | 被害が発生する確率と被害額で評価する。 |
解答:エ
<解説>
JIS Q 2001とは、企業活動を行う上でのリスクをコントロールするためのJIS規格である。
リスクが顕在化した場合の影響の大きさを定量的又は定性的に把握することが望ましい。
- 定量的評価
- リスクが顕在化する確からしさ又は発生確率,及びリスクが顕在化した場合の影響の大きさを数量的に把握すること
- 定性的評価
- リスクが顕在化する確からしさ又は発生確率,及びリスクが顕在化した場合の影響の大きさをランク付けなどで把握すること
ア | × | 被害件数は、定量的評価である。 対策の難易度は、定性的評価である。 |
イ | × | 対処時間は、定量的評価である。 被害の顕在性は、定性的評価である。 |
ウ | × | 攻撃元は、定性的評価である。 攻撃手法は、定性的評価である。 |
エ | ○ | 被害が発生する確率は、定量的評価である。 被害額は、定量的評価である。 |
問題42
無線LANにおいて、事前にアクセスポイントに登録した端末以外の接続を制限するためのものはどれか。
ア | AES |
イ | IEEE802.11b |
ウ | MACアドレスフィルタリング |
エ | TKIP |
解答:ウ
<解説>
ア | × | AES(Advanced Encryption Standard)は、アメリカ合衆国の新暗号規格として規格化された共通鍵暗号方式である。 |
イ | × | IEEE802.11bは、2.4GHz帯での最大11Mbpsの無線LANの物理層仕様である。 |
ウ | ○ | MACアドレスフィルタリングは、無線LANルータなどが備える機能の一つで、特定のMACアドレスからしか接続できないようにする機能である。 |
エ | × | TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)は、IEEE802.11のセキュリティ機能「WEP」の脆弱性を補うために策定された暗号化通信のための暗号鍵の実装および鍵交換方式である。機器固有の鍵を作り、WEBよりも複雑な計算をするなどして秘匿性を高めている。 |
問題43
UMLのクラス図が表す内容はどれか。
ア | クラス間の動的な関係 |
イ | クラス同士が、必ず1対1の対応になるような相互関係 |
ウ | クラスを構成するクラス名、インスタンス、メッセージの3要素 |
エ | 汎化、集約、関連などのクラス間の関係 |
解答:エ
<解説>
ア | × | クラス図は静的な関係を示すためのものである。動的な関係を表現できない。 |
イ | × | クラス同士が、必ず1対Nの対応になるような相互関係もあり得る。 |
ウ | × | クラスのインスタンスやメッセージはクラス図では表現されない。 |
エ | ○ | 汎化、集約、関連などのクラス間の関係 |
問題44
オブジェクト指向におけるインヘリタンスの説明はどれか。
ア | 幾つかのオブジェクトを集めて、これを成分とするオブジェクトを作成する。 |
イ | オブジェクトのデータ構造や値を隠ぺいし、オブジェクトの外部から直接、内部のデータにアクセスできないようにする。 |
ウ | 基底クラスで定義したデータ構造と手続きをサブクラスで引き継いで使用する。 |
エ | 同一のデータ構造と同一の手続をもつオブジェクトをまとめて表現する。 |
解答:ウ
<解説>
インヘリタンス(継承)とは、オブジェクト指向のプログラミング言語が持つ要素の一つ。既存のクラスを利用して新しいクラスを作成するときに、既存のクラスの属性を引き継ぐことを指す。
ア | × | 集約の説明である。 |
イ | × | カプセル化の説明である。 |
ウ | ○ | インヘリタンス(継承)の説明である。 |
エ | × | クラスの説明である。 |
問題45
モジュール結合度が最も弱いモジュールはどれか。
ア | 単一のデータ項目を大域的データで受け渡すモジュール |
イ | 単一のデータ項目を引数で受け渡すモジュール |
ウ | データ構造を大域的データで受け渡すモジュール |
エ | データ構造を引数で受け渡すモジュール |
解答:イ
<解説>
モジュールの結合度とは、モジュールの独立性を評価する尺度の一つ。モジュール同士がどのような関係で他のモジュールを利用するかによって、6つの結合方法に分類される。内部結合が最も結合度が高く,順に低くなっていく。
結合度 | 名称 | 内容 |
---|---|---|
強い ↑ ↓ 弱い |
内部結合 | 他モジュールの内容を直接参照 |
共通結合 | 複数モジュールが共通領域を使用 | |
外部結合 | 複数モジュールが共通データを使用 | |
制御結合 | 他モジュールのパラメータを渡す | |
スタンプ結合 | データ構造を決めるパラメータを渡す | |
データ結合 | データパラメータのみの受け渡し |
ア | × | 外部結合の説明である。 |
イ | ○ | データ結合の説明である。 |
ウ | × | 共通結合の説明である。 |
エ | × | スタンプ結合の説明である。 |
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