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平成21年度秋季解答
問題56
システム移行方式のうち、パイロット移行方式について説明したものはどれか。
ア | 機能的に閉じたサブシステム単位に、短期間で順次移行していくので、運用部門の負荷が少なく、問題が発生しても当該サブシステム内に抑えることができる。 |
イ | 限定した部門で新システムを導入・観察した後にほかの全部門を移行するので、移行に関する問題が発生しても影響範囲を局所化できる。 |
ウ | 新・旧両システム分のリソースを用意し、並行稼動されるので、新システムで問題が発生しても業務への影響を最小にできる。 |
エ | ほかの移行方式に比べると移行期間は短くできるが、事前に全部門との間で詳細な計画を立てるとともに、新システムに高い信頼性が要求される。 |
解答:イ
<解説>
代表的な移行方式には、一斉移行方式,段階的移行方式,平行運用方式がある。
移行方式 内容 一斉移行方式 一挙に新システムの切り替えを行う方式。 段階的移行方式 業務単位,地域単位,サブシステム単位などで順次に移行していく方式。 平行運用方式 新旧両方のシステムを平行稼働させ問題なければ移行する方式。
パイロット移行方式は、段階的移行方式の一つである。一部の限定した部門でシステムを導入し観察しながら、問題ないと判断したうえで、全部門の移行を行う方式のことである。
ア | × | 段階的移行方式に関する説明である。 |
イ | ○ | パイロット移行方式に関する説明である。 |
ウ | × | 平行運用方式に関する説明である。 |
エ | × | 一斉移行方式に関する説明である。 |
問題57
ITILにおいて、問題管理でエラーの根本原因を識別した後に、RFCを出す対象となるプロセスはどれか。
ア | インシデント管理 |
イ | 可用性管理 |
ウ | 構成管理 |
エ | 変更管理 |
解答:エ
<解説>
問題に関係する用語の説明を記す。
- ITIL(Information Technology Infrastructure Library)
- ITサービス管理・運用規則に関するベストプラクティス(成功事例)を調和的かつ包括的にまとめた一連のガイドブック
- RFC(Request For Change:変更要求)
- はシステムの変更を行うように管理者や作業者に要求する文書
まず、問題管理プロセスで、根本原因を識別した後にRFC(Request For Change:変更要求)を作成する。
その後、変更管理プロセスで、RFC(Request For Change:変更要求)を確認してシステムの変更を行う。
したがって、エが正解である。
問題58
システム運用業務(オペレーション)に関するシステム監査証跡はどれか。
ア | アプリケーションプログラムの仕様書 |
イ | 原始帳票の入力チェックを行うためのプルーフリストを出力するプログラム |
ウ | 出力情報のエラー状況に関する記録 |
エ | プログラムの運用上のパフォーマンスに関するテスト結果 |
解答:ウ
<解説>
システム監査証跡とは、情報システムの処理の内容やプロセスを、システム監査人が追跡するために時系列に沿って保存された記録のことである。
監査証跡には、次のもの等がある。
- システムのアクセスログや操作ログ
- システム内部での処理状況のログ
- システムから出力されたデータのリスト
ア | × | アプリケーションプログラムの仕様書は監査対象ではあるが、監査証跡とはならない。 |
イ | × | プルーフリストは、システム運用業務に関するシステム監査証跡となるが出力するプログラムは監査証跡とはならない。 |
ウ | ○ | システム運用業務に関するシステム監査証跡となる。 |
エ | × | システム効率性に関するシステム監査証跡となる。 |
問題59
システム監査人が行った監査業務の実施記録であり、監査意見表明の根拠となるべき監査証拠、その他関連資料などをまとめたものはどれか。
ア | 監査チェックリスト |
イ | 監査調書 |
ウ | 監査手続書 |
エ | 監査報告書 |
解答:イ
<解説>
ア | × | 監査チェックリストはシステム監査人が監査を実施するにあたってチェックすべき項目や作業内容などを記載した文章である。 |
イ | ○ | 監査調書は、監査業務の全過程において監査人が行った監査業務の実施記録(監査人が収集又は作成した監査証拠やその他関連資料)をまとめた文章である。 |
ウ | × | 監査手続書は、監査人が十分な監査証拠を入手するために実施する本調査におけるシステム監査手順や組合せを記載した文章である。 |
エ | × | 監査報告書は、システム監査の結果を報告し,助言・勧告を行うための文章である。 |
問題60
営業債権管理業務に関する内部統制のうち、適切なものはどれか。
ア | 売掛金回収条件の設定は、営業部門ではなく、審査部門が行っている。 |
イ | 売掛金の消込み入力と承認処理は、販売を担当した営業部門が行っている。 |
ウ | 顧客ごとの与信限界の決定は、審査部門ではなく、営業部門の責任者が行っている。 |
エ | 値引き・割戻し処理は、取引先の実態を熟知している営業部門の担当者が行っている。 |
解答:ア
<解説>
内部統制とは、組織の業務の適正を確保するための体制を構築していくシステムのことであり、組織がその目的を有効・効率的かつ適正に達成するために、その組織の内部において適用されるルールや業務プロセスを整備し、運用することである。
ア | ○ | 売掛金の回収のチェックは売掛金の回収を行う営業部門ではなく、別の部門である審査部門が行うべきである。 回収のチェックを他部門が行うことで、不正の余地がなくなる。 |
イ | × | 売掛金の消込み入力と承認処理を販売を担当した部門で行うと他部門の干渉を受けないので不正が起きる要因となる。 したがって、経理部門などの他の部門が行うべきである。 |
ウ | × | 顧客ごとの与信限度の決定を営業部門が行うと顧客との関係から恣意的になりやすく不正が起きる要因となる。 したがって、顧客ごとの与信限界の決定は、顧客と接しない審査部門が行なうべきである。 |
エ | × | 値引き・割戻し処理は、取引先の実体を熟知している営業部門が行うと顧客との関係から恣意的になりやすく不正が起きる要因となる。 したがって、経理部門などの他の部門が行うべきである。 |
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